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ここも、熱海

Img_7922_2_2期待していた熱海温泉.。旅館の庭に湯気があがり、なかなか風情のある外観。

Img_7923が、しかし風呂は、汚く狭く、がっかり。トイレも少なく不自由で、食事もいまひとつだ。

Img_7926が、しかし、全館貸し切りで、大広間も、個室も自由に使え、分級座談にしても、お念仏をするのにしても、なんの気兼ねもないという点では、こんな有りImg_7931難い会場はない。それに、どことなく、学生「合宿」という雰囲気があって、悪いことばかりではない。

Img_7951熱海に行くというと、皆さん口々に、「熱海の海岸散歩する~、貫一、お宮の二人連れ~」とわれる。いまだに金色夜叉であるImg_7954。でも東京人と違って、関西から熱海は距離がある。

が、 せっかくここまできたのに、その海岸にも、熱海城にも、秘宝館にも行かず、そのまま会場に向かっImg_7979た。

「旅館から歩ける距離なので、ぜひ來宮(きのみや)神社へ。ご神木を一周すると、一歳長生きできる御利益がありますよ」と、タクシーの運転手が勧める。
Img_7972長生きもいいが、どんな形態かによるな。最近は、なかなか死ねないことで、違った老苦も味Img_7996_2わわねなぱならない。確かに、栄養面でも、衛生面でも、またある程度平和で、しかも医療が発達したおかげで、誰もが長生きになった。が、同時に、長寿がめでたいとは言い難い、厄介な世の中にもなっている。まもなく、未曽有の超高齢社会がやってくるのだ。

Img_8000神社の写真などを載せたら、「また『無碍の一道にもほどがある』とクレームがきますよ」と忠告された、せっかく熱海まできたのに、観光名所の写真Img_7981_2枚もないのも、寂しい。

それではと、夕食後、散歩を兼ねて来宮(きのみや)神社まで歩く。 知らなかったが、本州一の巨木の楠木がある。

確かに大きい。が、ほんとうに一番なのかと思う大きさだが、天然記念物に指定さImg_7975れているので、まんざらウソでもあるまい。「そうなのか」という感じで眺めて、一応、一周ぐるりと見て回る。それにしても、夜の神社の雰囲気は、なんとも独特。そのImg_7936_2うえ、BGMに越天楽が流れている。わざわざとなのかと不思議に思っていると社務所で皆さん練習中だった。

旅館の駐車場の隣はこんな妙な建物があっImg_7941た。「スプリチュアル・カウンセラー」は儲かるようだ。「真宗カウンセラー」を名乗っても、別荘どころか、何も建てることできない。どうやらこのあたりが、いま流行りの「パワー・スポット」か。

Img_7942前には、佐佐木信綱の終焉の旧宅があった。
文化勲章の第一号であるが、なんと12歳で、東京帝国大学に入学した早熟の天才である。 週末は、庭園を解放しているので、昼休みを利用して出かける。Img_8008_2小さいが上品な庭である。散策していたら、声をかけてくださり、お茶まで出してくださた。

さらに、庭を抜けて谷崎潤一郎が名作『細雪』を執筆した旧宅があるので、「内部には入れないImg_8004が、ご案内します」と、雨の中、わざわざ連れて行ってくださった。文豪は、この地で『細雪』を書いたのだ。大阪船場が舞台で、京都Img_8007_2や大阪などの関西ゆかりの作品が、熱海で書かれていたことは、不思議な感じがする。ちなみに、華光誌第1号Img_8005が出た同時代のことである。すぐ横に、吉川英治の別荘があったそうだが、いまは跡地になんている。温暖で、温泉もあるこの地には、昔から作家や著名人が冬の寒さを嫌って、居を構えていたらしい。

30分足らずの昼休みの散策にしては、充実した内容。

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