聖典講座~「光明無量」十二願成就文
『大無量寿経』も、「如来浄土の果」に入り、「略説」【十】と「広説」【十一~二一】に分科されるが、前回は「略説」で、阿弥陀仏となられたそのお徳と、浄土有様について、簡略に説かれたので、「広説」では、広く、仏身と聖衆、及び浄土の荘厳が、詳細に述べられていく。
今回は、そのうち、まず仏身についての徳で、まず光明無量と寿命無量なることが讃えられる。
これは、第十二願が成就して、光明無量の阿弥陀仏となられたことを示すもので、阿弥陀如来の光明の徳の偉大なることを、各方面から讃嘆される。 さらに、第十三願が成就して、寿命無量の阿弥陀仏になられたことが示される、特に大切な成就文といえるのだ。
法蔵菩薩の第十二願の願文は、
「たとひわれ仏を得たらんに、光明よく限量ありて、下、百千億那由他の諸仏の国を照らさざるに至らば、正覚を取らじ。」(第十二願・光明無量の願)
となる。しかし、これだけでは、衆生には理解できない。それをお釈迦様の説教である十二願の「成就文」を通すことで、初めて阿弥陀様の真意、第十二願のお意(こころ)が明確になってくる。
つまり、
(1)諸仏の光明も及ばぬほどの最尊第一で、光明無量である。
(2)それゆえ、この仏を十二光仏(図解したが、ここでは略するので、増井悟朗著『三帖和讃講讃』上巻25頁を参照ください)と申しあげる。
(3)光明にあった衆生は、三毒の煩悩が消滅し、身心は柔軟、歓喜踊躍して善心生じる。
(4)三悪道の衆生さえも、苦悩から解放され、終には解脱をこうむる。
(5)その輝く光明は、十方国土にも及び、釈尊の称讃するごとく、
その威徳は、一切の諸仏等にも讃嘆され、その徳を聞いた衆生も往生を得る。
(6)さらに往生した者は、弥陀と同じ光明無量となり、弥陀仏同様に讃嘆される。
(7)私(釈尊)が、昼夜一劫かけても、無量寿仏の光明の徳を説き尽くしえない。
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