門司港での感動
初めて降り立った「門司港駅」。初のN家での九州支部法座だ。
レトロとして人気のある観光地なので、ちょっとワクワクしながらも、ご本人とはご縁が浅いだけに、ちょっと心配もしつつ降り立った。
「あの黒い高層マンションです」と迎えのSちゃんの案内に、「えー」と声がである。賑やかな観光地のド真ん中、ビル自体が31階が展望台になっていて、門司の観光名所なのである。
お部屋にお邪魔すると、全面ガラス張り室内からは、対岸の下関や巌流島、そして関門大橋が一望できる絶景である。
「バランスの悪いものが屋上にありますね」と誰かがいったが、黒川紀章氏の建築だと聴くと、それまたよく見えてくるから、いい加減なものである。
初開催にご本人も心配で、お友達やお寺の法友も8名も誘って、至れり尽くせりでのご接待くださる。ご主人も、ホテルとの送迎役などを喜んでやってくださる。夜は、夜景を眺めながらの懇親会、昼は、花見弁当に手作りのおかずやケーキと、ほんとうにあの手この手でお世話くださる。
しかしである。すばらしい眺めも、至れりつくせりのご接待も、かすむほどの皆さんとの尊い出会いがあった。これが一番、うれしい。
最初は、「お手伝いですから」とか、「何も知りませんから」と、ちょっとしり込みされていたようだが、初めての方があるとの情報で、「必ず、座ってください。難しい話はしませんから」と、事前にご法話をに座ってもらうようにお願いしていた。
皆さん、真剣にご聴聞くださる。1座だけの予定が、3座とも座ってくださった。
「40年間、主人にも、皆さんに話したことのない思いです」と、涙ながらに語ってくださる方、「法話を聴いて、昨晩は一睡もできませんでした。私の人生はなんだったのだろうかと、生まれて初めて考えたことです」といわれる方、または、さまざまな苦悩人生を、正直に語ってくださる方や、「こんな人前でお話することは人生で初めてです。考えたことも、聴いたこともないお話を体験させていただきました」とからだを震わせながら、興奮気味にお話くださる方。中には、お寺でご聴聞されていて、なんとかお子さんにご相続してもらいたいと切に願っておられる方もあった。話されたあと、お顔つきが変わられた方もあった。中には、「皆さん、なんとおっしゃっているのか」と「南無阿弥陀仏」の声を初めて聴いたという方もあって、「南無阿弥陀仏」と言っていますよ。阿弥陀さまという仏さまの呼び声ですよとお話すると、さっそく声に出してお念仏してくださる方もおられた。
常連の同人の発言がかすむほど、自分を開いて打ち出してくださった皆さんのお声があまりにも尊く、深いところで出会えた気がしたのである。
こういう形で、初めての方とも出会えるだけのものを、長年に渡りお育ていただたいことを、喜ばずにはおられなかった。
ありがとうございました。
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