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『毎日がアルツハイマー2』~認知症を考える映画・第3弾~

150314 認知症や介護問題を考えさせられる映画の第三弾。京都シネマで『毎日がアルツハイマー2』を観た。

 『徘徊~ママリン87歳』同様、認知症の実母を、自立した仕事を持っている娘が介護する点だ。『徘徊』はギャラリーの経営者、『毎日がアルツハイマー2』この映画の監督である。その点では、嫁が、夫の父や母(つまり姑や姑)を介護するという形ではない。

 最初この映画はパスの予定だったが、予告編で「PCC」という聞き慣れないが、馴染みある用語に関連しそうで、果然興味がでてきた。 もしや、いつも勉強している「PCA」に関連するんじゃないのかと。

 「PCA」とは、
 P-Person (パーソン) 人間
 C-Centerd(センタード)中心の 
 A-Approach(アプローチ)アプローチ の略である。

 PのPersonとは、人間一般ではなく、目の前の私であり、あなたのことを指す。つまり、ロジャーズの提唱するところの人間中心人間尊重の心理学といわれるものである。
(ちなみに、真宗カウンセリングは、「D-pca」といわれるが、これは、Dharma based=ダルマ(法)根底にした人間尊重のアブローチである。)

  一方の「PCC」も、
 P-Person (パーソン) 人間
 C-Centerd(センタード)中心の
 C-Carc   (ケア)   ケア の略。

 この場合のPのPersonもまた、人間一般ではなく、目の前の認知症本人を指している。日本語訳にするなら「認知症本人を尊重するケア」ということになる。  

 では「PCC」とは何かを体験するために、関口監督自身が、発祥地のイギリスへ向かう。

 結局、認知症そのもののステージ(段階)はあるが、すべてが一般論に当てはまるのではなく、個々人が、その生育歴も、個人史も、また性格も違うのであり、それらの要素を総合し、いま、目の前にいるひとりひとりをしっかり見つめて関わる以外に、マニァアル化したケアなどないというのである。

 すごく当たり前のことだけれども、逆に、目からウロコの発想。  

 

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