『毎日がアルツハイマー2』~認知症を考える映画・第3弾~
認知症や介護問題を考えさせられる映画の第三弾。京都シネマで、『毎日がアルツハイマー2』を観た。
『徘徊~ママリン87歳』同様、認知症の実母を、自立した仕事を持っている娘が介護する点だ。『徘徊』はギャラリーの経営者、『毎日がアルツハイマー2』この映画の監督である。その点では、嫁が、夫の父や母(つまり姑や姑)を介護するという形ではない。
最初この映画はパスの予定だったが、予告編で「PCC」という聞き慣れないが、馴染みある用語に関連しそうで、果然興味がでてきた。 もしや、いつも勉強している「PCA」に関連するんじゃないのかと。
「PCA」とは、
P-Person (パーソン) 人間
C-Centerd(センタード)中心の
A-Approach(アプローチ)アプローチ の略である。
PのPersonとは、人間一般ではなく、目の前の私であり、あなたのことを指す。つまり、ロジャーズの提唱するところの人間中心、人間尊重の心理学といわれるものである。
(ちなみに、真宗カウンセリングは、「D-pca」といわれるが、これは、Dharma based=ダルマ(法)根底にした人間尊重のアブローチである。)
一方の「PCC」も、
P-Person (パーソン) 人間
C-Centerd(センタード)中心の
C-Carc (ケア) ケア の略。
この場合のPのPersonもまた、人間一般ではなく、目の前の認知症本人を指している。日本語訳にするなら「認知症本人を尊重するケア」ということになる。
では「PCC」とは何かを体験するために、関口監督自身が、発祥地のイギリスへ向かう。
結局、認知症そのもののステージ(段階)はあるが、すべてが一般論に当てはまるのではなく、個々人が、その生育歴も、個人史も、また性格も違うのであり、それらの要素を総合し、いま、目の前にいるひとりひとりをしっかり見つめて関わる以外に、マニァアル化したケアなどないというのである。
すごく当たり前のことだけれども、逆に、目からウロコの発想。
| 固定リンク
「映画(アジア・日本)」カテゴリの記事
- 映画「千夜、一夜」を新潟で見る(2022.10.24)
- 映画『名付けようのない踊り』(2022.02.09)
- 濱口竜介監督『ハッピー・アワー』(2022.01.06)
- 今年211本目は『CHAINチェイン』(2021.12.30)
- 終い弘法(2021.12.22)