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京都支部法座~真向かいに向き合う~

 最近、いろいろなところで話している、一燈園の三上先生と卯一少年の切なくも、尊いエピソードを中心にお話する。結核菌入りのお粥を食べるところ、親の名を呼び「ここにおるぞ!」と答えるところ、そして最後に安らかに合掌して亡くなるところなど、涙を流して聞いてくださった。その大半が、人ごとの「いい話」としてではなく、阿弥陀様に悪態をついている自分の姿として、もしくはそれを包み込む阿弥陀様の大悲をおこころを聞いてくださっていた。

 いつもと一味違う話だったが、たいへん好評で、その後の座談が盛り上がった。皆さんのお声を聴くことで、また僕自身も違った角度から味わわせていただく。この題材は、必ずしも廃立の厳しい他力回向信ではないので、逆に、皆さんのいまの心境のままに味わっていただけるので、そこが面白いのだ。

 ある方が言われたが、嫌われ者のこの私を、たったひとり畏れることなく、真向かいに向き合ってくださっる方があった。その真実によって、寂しい、冷たいこの私の心にも、温かい大悲のおこころ届いてくるのである。

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