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『和ちゃんとオレ』、に入る前に…。

 息子介護の現状をリアルに映し出した衝撃的なドキュメンタリー映画「和ちゃんとオレ」を観る。

 一昨年(2013年)のキネマ旬報の日本映画1位は、『ペコロスの母に会いに行く』という映画だった。http://pecoross.jp/

 「ボケ(母)とバゲ(息子)」という歌い文句で、確かに悪い映画ではなかった。介護する息子が、理想化され過ぎずに、いい加減さもリアリティがあって、よかったし、画風もほのぼのしている。しかしである。きれいすぎるのだ。現実は、もっと汚い。もっと厳しい、もっと人間の業が渦巻くことを、介護したものなら知っている。

 キネマ旬報の外国映画の1位も、『愛、アムール』。http://ai-movie.jp/

 こちらも、男性の老々介護。でも介護問題というより、生と死、そして夫婦の愛がテーマへと昇華されていく。妻の病から、平穏な日常が、少しずつ剥がれ落ち、追い詰められていく年老いた夫を、静かに見つめていく。こちらは、観るものの心乱されるミヒャエル・ハネケ監督。静謐でありながら、余韻が残る作り。如何せん、重くて、しんどい。最近は、あまりにも無駄が削ぎ落とされすぎて、退屈だった。

 他にも、スペイン映画『しわ』のように、認知症や介護問題をテーマにしたアニメ映画があった。http://www.ghibli-museum.jp/shiwa/

 中国には中国の高齢者への問題があって、人口増加で極端な施設不足や一人っ子政策による(夫婦二人で、四人を介護が必要となる)若年層の不足などの問題もある。そんな社会問題はなく、普遍的な親子愛(孫を媒介した父親と息子の葛藤の克服)や人生最後の輝きを求めて冒険の一歩を踏み出す『グォさんの仮装大賞』http://www.guosan.jp/は、心の琴線に触れる映画だった。その他にも、高齢者や老人介護が主題となるよう映画が、日本を筆頭に先進国で並んだのも、世相の反映であろう。その傾向は、ますます強くなっていくのだろう。

 肝心の『和ちゃんとオレ』に触れる前にちょっと寄り道しちゃいました。

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