真宗大谷派・九条の会 全国集会~沖縄を想う~
少し飛んだが、真宗大谷派・九条の会 全国集会~沖縄を想う~での三上知恵監督の講演もよかった。アナウンサーだっただけに、堂々とした態度で、いい声がよく届いてきた。
映画でも講演でも、沖縄県以外では報道されず、知らないことが多くて、愕然とした。
たとえば、辺野古への基地の問題も、単純に市街地にあって危険な普天間基地の代替だと報道されている。もちろん、沖縄の基地固定化や、環境(自然)破壊を生む問題がある程度の認識だ。
でも、県外や国外でなく、なぜここまで辺野古にこだわるのか。国際情勢や地勢的なまことしやかな理由は語られていた。しかし、ほんとうは、辺野古は普天間の単純な代替基地ではない。そこには航空機の滑走路だけでなく、軍港も一体化する意味があるのだ。しかも、大浦湾の深い海が必要だ。喫水の深い大型艦船、佐世保を母港とする強襲揚陸艦・ボノム・リシャールが、辺野古新基地に接岸が可能になるのだ。ここに軍港の基地を造る案は、当初からのアメリカの青写真があったのだが、本国の財政難で断念されていた。それが、沖縄県民の悲願である普天間基地返却という大義を全面に、アメリカの国益につながる基地が、日本の予算(税金)で建設されるのだ。
そして、それは、今回の映画の主題であった高江地区のオスプレイの訓練のための着陸場の建設と密接につながってくる。7つの訓練所が6つに縮小し、一部が返却するという、一見基地縮小のようで、実は、その裏には、辺野古と一体化することで、強襲揚陸艦・ボノム・リシャールで運ばるオスプレイの新しい操縦士の養成・訓練場としての意味が増してくるからだ。
このオスプレイの導入についても、日本政府は、住民をたぶらかし、誤魔化やウソで強硬してきた。そして、沖縄の人達が、名護市長選で勝利し、沖縄知事選で勝利し、さらに先の衆議院選挙の小選挙区のすべてで反対派が勝利したにもかかわらず、政府は無視し続ける。声を出しても、民主主義で勝利しても、届かない願いを、沖縄の人達が生み出した、非抵抗の座り込みの行動でさえ、「通行妨害」という微罪で被告人し、反対運動を萎縮させるために裁判に訴えていくという、スラップ裁判(権力側が、国策に反対する弱者を、本筋ではない微罪で訴えていく)http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%83%97で、押さえ込もうとするのだ。
映画のおかげで、映画の主人公たちのもとを訪ねる方が増え、関心は高まったという。しかし、長期間、地域の住民だけで、国の動き、工事監視するには、限界もある。みな、生活があるからだ。たとえ、映画が(この手のドキュメンタリーとしては異例)ヒットしても、結局、何も改善されていない。それどころか状況は、どんどん厳しくなっている。そんな中で、反対派のアイコンのようになった家族や小さな子供たちを被写体にしたことを、監督自身も葛藤を抱えているという生の声が届いてきて、感心した。
それでも、ぼくのように、無関心や無知であったのが、少しでも関心を持てたのも、映画を見たからなので、その意義は大きいと思った。
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