大雪の高山支部報恩講
直前、会所(法座会場)のH家で、緊急事態が発生した。
今回の報恩講法座はどうなるのか。中止になるか、もしかすると、別会場で、その用意ができるのか。いささか心配になった。しかし、早々に、「遠方からの同人の宿泊は無理ですが、報恩講は、皆さんで協力して行います。こんな時だからこそ、ご聴聞させていただきます」との有り難いお返事をいただく。
師走に入って寒波が襲来している。北陸東海道でも、雪で大型車が立ち往生(←間違った用法)して、高速バスが不通になって、いつもガラガラのひだ号の自由席は、座れない乗客も多く満席である。それでも、列車はほぼ時間どおり到着した。
高山支部の報恩講。高山支部だけのお参りとなったが、皆さんで、お正信偈を声高らかにおあげして、お斎をいただく。支部以外の方の御参りもないので、当初は、少し寂しいかなーと心配していたが、子供たちも座ってくれて、なかなかにぎやかになった。緊急事態なのに、変わりなくお勤め出来ただけでも有り難いこと。その上、支部の皆様と一緒にお正信偈をあげ、お斎をいただき、そして熱心にご聴聞くださる姿には、法話もするぼくも、いつも以上に力が入った。「礼讃文」と、六字のおこころ、回向の仕組みについての核心だけをお取り次ぎさせていただいた。
翌日は、雪も止んだが、H家の回りも、すっかり雪景色である。
昼休みに、ちょっと散策して、シャッターをきる。
法座が終わって、お見舞いに窺う。以前、熊騒動の時と同じ日赤である。
驚いたというか、安心したのは、想像以上に回復が進み、ベットの上でお念仏をされている。その「南無阿弥陀仏」の響きのひとつひとつが、無上に尊かった。
大雪の時には、忘れ難い法座となることが多いが、今年の高山支部報恩講もまた、遺弟の念力を仰ぎみて尊いご法座となった。
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