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希望舞台「焼け跡から」

  劇団希望舞台の公演「焼け跡から」にお招きいただく。

http://www.kibou-butai.com/yakeato/index.html

Img_3132 今回の講演は、兵庫県播但方面、宍粟(山崎町)市~姫路市~丹波市とあるが、やはり知人が多い宍粟市の公演にお邪魔する。
 学校から戻ってくる上の子を待って、一緒に、宍粟市の山崎町文化会館に向かう。18時の開場直後なのに、すでに多くの方が集まって、ホールは満席に近い観客がある。

  主催は、「いのちをみつめる会」という団体で、仏教会、キリトス教Img_3137会、教育委員会、神戸新聞社などが共催している。でも、実際は、S寺のいつも仲間が中心となっておられるので、顔見知りの住職や坊守さんたちが、会場整理などでいきいきと動いておられた。

 この芝居は、初めて観る。
 『お菓子放浪記』(映画でみたけれど、この作品にかなり通じる部分がある)の西村滋氏の原作。終戦直後、東京大空襲で、戦争孤児となり野良犬のように寄り添う子供たちが、寺(父)に反発して、寺を飛び出して兵隊となり、檄戦地を生き延びた若い住職との出会いが物語の始まりである。

 結局、大人が始めた戦争という理不尽な行為によって、たくさんの親を亡くした子供たちを生んだ。小さな胸に収まらない深い悲しみを抱えながら、日々、ひたむきに生きていくしかないのである。それは、子を亡くして親も、また友や大切な人を亡くした人も同じだ。愛別離苦の苦しみ、悲しみの傷は、癒えることはない。それでも、残酷にも、日は昇り、沈むのである。しかし、同時にそこには、同じ悲しみをもったものが織りなす希望が、きっとあるのだろう。
 声高かに、反戦を叫ぶ作品ではない。子供たちの小さな胸から溢れでるた悲しみの向こうにある、人間(大人)が始めた愚かな行為と、誰にもおこる悲劇を、観るものに訴える作品である。回りの年輩の女性が涙ぐんでおられた。きっと、往時を思いだされたのであろうか。

Img_3140 楽屋にご挨拶の後、打ち上げ会場のS寺へ移動。明朝は、長女の学校があるので、長居できなかったが、一言、ご挨拶もさせてもらった。

 華光の法座も、同人の皆さんが世話役として取り組んでくださるからこそ、過密なスケジュールをこなしている。しかし、今のあり方だけでいいのだろうか。まだまだ改善できる点、さらに一歩踏み込んだ取り組みがあるのではないかと、皆さんの姿をみながら、学ぶ事は多いなと考えた次第だ。 

                    
 それにしても、今夜はずいぶん冷え込んだ。

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