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7月の聖典講座(1)発起序

    6月が月末の開催だったので、すぐに聖典講座である。

    先月は、序分のうち、証信序(通序)を窺ったので、今回は、発起序(別序)=各経の特殊な事情述べる部分【三】に入った。要は、この『大経』が、どのような事情で説かれたのかが示されているの部分であるが、親鸞様は、ことのほか、ここを大切にされていて、『教巻』は、ほぼこの部分の引用だといっていい。釈尊が、五種の瑞相を現わし(五徳瑞現・ごとくずいげん)て、この経が釈尊出世の本懐であることが語られる(出世本懐経)。つまり、釈尊も諸仏方も、この世に出現されたのは、弥陀の本願を説くためなのであると、親鸞様は頂かれたおられる。  

    その発起序は、細かく六段に分かれるが、大方は、釈尊と阿難の問答形式である。

1)釈尊が、悦びに満ち、清らかで、光輝くお姿を示される。

2)その姿に感激した阿難尊者が五徳瑞現を讃え、「何故なのか」と質問される。

  3)その問いは天人に教えられたものか、阿難自らの問いなのかと、釈尊は反問され、

  4)それに対して、阿難尊者は、あまりの尊さに自ら問うたと、お答えになると、

  5)喜ばれた釈尊は、この世に出興した本懐を説くので、よく聞くようにと述べられる。仏に値遇することは稀で、この問いかけは一切衆生の済度につながる尊いものだった。

 6)阿難尊者は、「喜んで拝聴します」と答えられて、『大経』の説教が、本格的に始まるのである。

 中でも、五徳瑞現は、親鸞様にとっては、出世本懐の根拠となる部分である。釈尊の威厳に打たれた阿難尊者の問いから始まるが、単なる外見の威厳という話でないので、その中味を見てみよう。

 

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