同人会ニュース
7月は、支部長研修会の報告を兼ねた「同人会ニュース」を発行する。これだけは、まだ古いPCで、オアシスという昔からのソフトを使って、ぼくが作製している。研修会の報告に加えて、今回は、支部長と拡大運営委員の紹介を兼ねた一言集の第二弾である。
巻頭法話は、伊藤康善先生の華光大会での座談会のテープ起しをしたもの。この座談会が掲載されている華光誌が、華光会館建設計画を知らせる昭和31年の貴重ものだ。ただし、古いガリ版刷りで、読みづらい。節約のために、紙の質もかなり悪い。
法話ではないが、たいへん面白い。ちょっと長いので、前・後半に分けることにした。前半は、平生の時に、三途の黒闇を破られたものだけが語りうることができる、味わいを語っておられる。特に、先生の得意なぼた餅の譬えもでる。他力は、棚からぼたもちで、口を開けて待っていてるように誤解されるが、自分から、ぼた餅なって、阿弥陀様に食べてもらうのである。今日では、真宗者もすごく賢くなったが、この味が分かる人は少ないだろう。結局、畳の上の水練ではなくて、実地での真剣勝負。ぼくたちも、ここに立たせてもらって、斬るか斬られるかのお取り次ぎをさせていただかねばならない。でも、何かと傷ついたり、傷つけることを恐れるが、保身ばかり気にして、真剣を抜くことはないようでは、刀も、腕も錆びる。
ところで、本文には、大沼法龍師(本文では、大沼法龍君と出てくる)の信一念の廃立、真仮の分際についての「熟柿信心」という言葉が出てくる。大沼師の著書『法界』にも、腑抜けた真宗界会についての、強烈な一撃が加えられている。特に、信前信後の水際の問題である。そこに、こんな面白い譬えがあった。
(略)信前信後の水際が鮮やかに分かるのは仮時ならわかるが、開発してもいない人には、実時も仮時もあるものかい、何もわららないのだ。それでも、信前の者は人数が多い。その人たちが一念の妙味を想像して、自己の信仰弁護している。例えば
1、風邪引き安心-何時とはなしに信心いただけるのだ。
2、熟柿安心-柿が熟柿になるように何時とはなしに。
3、太陽安心-太陽でも夜が明けるように何時とはなしに。
4、米俵安心-破れから米が洩れて、何時とはなしに、軽くなるように、ご案じんをいただくのはいつとはなしだ。 ご迷答だか親善の幼稚な信者にはよく分かる。第二十願の調熟の光明の桁で、果遂の誓いの上を前進している時の譬えには上等だが、第十八願の比喩にはならない。
七里和上の語録で、風邪引き安心-盗人安心という言葉を読んだことがあるが、譬えとしてはいろいろ表現があるようだ。 こんなご縁もあって、大沼先生の著書をこの夏は開いてみることにした。
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