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6月の聖典講座(3)菩薩衆

  続いて、六事成就の衆成就のうち菩薩衆へ。ここが詳しいのが、大乗経典のゆえんだ。
 普賢菩薩・文殊菩薩・弥勒菩薩のビッグ3に続いて、賢劫の菩薩が紹介される。賢劫の、時代というか、宇宙感が壮大。悟朗先生のお好きなところである。
 賢劫とは、人寿八万四千の時から百年毎に一歳ずつ減じて人寿十歳に至り、さらに百年毎に一歳ずつ増して人寿八万四千の時至る。この一減一増の間を一小劫とし、二十小劫を一中劫とす。さらに四中劫(八十小劫)のうちに、世界が成立(成劫)、定住し(住劫)、破壊し(壊劫)、空虚となる(空劫)。これを一大劫と名付ける。「賢劫」は現在の一大劫の名で、過去が「荘厳劫」、未来が「星宿劫」と呼ばれるという。目先のことしか分からない凡夫には、ただただ口をあけて聞くしかない。

 その菩薩について、褒め讃えられる。菩薩方が、「普賢大士の徳に遵へり」。つまり、普は普遍の徳をあまねきこと。賢は賢善で順和なことだが、ここでは、行普賢のことで、普賢菩薩が行われるのと同じ大悲の行を行じておられることを指す。(「普賢の徳を修習せん」の還相回向(二十二願)参照)。

 八相成道は、釈尊ご一代のお徳によせて、諸菩薩の徳を讃えられるものだ。もちろんそれぞれの菩薩には、それぞれのご一代もあろうが、ここでは、ご説法の釈尊と同じく弥陀の本願を弘めんためのご活躍とみることができる。

1)受胎相(この世に出る前と母胎に宿る時)、2)降生相(お誕生)、3)処宮相(王子時代の宮殿生活)、4)出家相、5)降魔相(悪魔の誘惑と悪魔を破る)、6)成道相、7)転法輪相(伝道)
8)入涅槃相であるが、法蔵菩薩のご苦労の前に、あらためて、釈尊ご一代をお聞かせに明日のが、有難い。」

  続いて、還相回向での大悲の行を行じるお姿が詳しい。ここを、何度か声に出して読んだ。現代語訳だと親しみやすい。法味溢れる言葉が多いが、特に

「もろもろの劇難と、もろもろの閑と不閑とを済ひて、真実の際を分別し顕示す。」
「一切の万物において、しかも随意自在なり。」
「もろもろの庶類のために不請の友となる。群生を荷負してこれを重担とす。」
「もろもろの衆生において視そなはすこと、自己のごとし。」

などのお心を味わう。

 そして、「このようなすぐれた菩薩たちが、数限りなく集まり、この経を説かれる集いに臨んだわけである」と結ばれている。

 まだ正宗分(本文)にも入っていなければ、序分の序分といってもいい、証信序(通序)だが、ここだけでも十分圧倒されるお慈悲が溢れていた。
 これだけの如来方が菩薩となって、束になって、法蔵菩薩さまものご本願をおすすめくださらなければならなかったのは、誰のためなのか。南無阿弥陀仏

 ◎次回=7月12日(土)1時30分から。出世本懐の示される発起序です。

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