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『ブランカニエベス』

  昨年の映画は、ポーランド映画(『ソハの地下水道http://karimon.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-5b3d.html)に始まって、フランス映画(『ファイヤー by ルブタン』)で終わったけれど、結局、145本を映画館で観て、自宅で観たものを合わせると、年間177本の映画を観たことになる。けっこうな本数だが、ここ数年間では一番のペースダウンで、特に、9月以降が減ったのは仕方ないところ。それでも、これだけ見に行けたら、御の字だ。

 今年も、正月の出端をくじかれたが、本年最初は、スペイン映画だ。なぜか、新年は、ヨーロッパ映画から始めることが多い。

131207 『ブランカニエベス』は、なんとも心の残る不思議な一本。ブランカニエベスとは、スペイン語で「白雪姫」のことだそうだ。でも、なんだ、このラストの終わり方は、、、。「エー、もしやここで終わるのか。そんなのないよね。終わらないで~」という感じなのだが、結局、あの涙はなんだったのかと、後々までも胸が締めつけられる気がするのだ。

 モノクロで、しかもサンレントという、復古調ながら、なぜか斬新の感じがして、途中から、グングンと引き込まれていく。このスタイルは、アカデミー作品賞受賞の『アーティスト』の二番煎じぽいが、こちらのほうがサムシングがある。ちなみに、昨年のキネマ旬報の洋画1位は、やはりモノクロの『ニーチェの馬』(ものすごい重厚、かつ静謐な美しい作品で、天地創造(7日間の逆バージョン?)的な、寓話的色彩をもって、モノクロながら映画館の大画面で見ないと意味ないよなーという作品。でも地味といえば地味で、読者選出には10位以内にランクインしていない)、それが一位だと驚かされたが、デジタルへ完全移行を前に、この手の復古的で、斬新な作品が評価さるのも、皮肉のようであり、また必然のような気もするが、その意味では、この映画もそうだ。しかも、ここで取り上げられるのが、グリム童話であり、ディズニー映画でも有名な『白雪姫』のオマージュだ。日本でも、「かぐや姫」の斬新なアニメが評判を呼んでいるが、皆がよく知っている物語。

 京都シネマのあらすじ解説には、、

 天才闘牛士のカルメン。
 
彼女が生まれると同時に母は亡くなり、父は意地悪な継母と再婚。カルメンは邪悪な継母に虐げれれる幼少期を過ごす。ある日、継母の策略で命を奪われかけた彼女は、“こびと闘牛士団”の小人たちに救われ、「白雪姫」という名で彼らとともに見世物の巡業に出る…。

となっているが、ある意味、よく知られた物語に、スペイン映画という特色-フラメントと闘牛、さらにその時代背景も加えて、完全に換骨奪胎。よくよく知られた寓話が、大人の作品として、斬新な解釈がなされて、スリリングに展開し、そして、あのラストへと続きます。久しぶりにゾクゾクしましたね。

  まったく余談ながら、映画の途中で、劇場の照明が急に点いて、「おわび」にと、次回の無料招待券をいただいた。この程度で、けっこうラッキー。映画の途中のトラベルは、年間1度くらいは必ず遭遇するが、無料招待券がでたのでは、これで2回目だ。昨年も、同じ京都シネマで、『スティーブ・ジョブズ、1995』のスタートから、やり直しになるトラブルで、かなり待たされたのに、その時は、単なるお詫びの言葉だけだった。この基準はなんなのかね。ぼく的には、今度は軽症だったのになー。みなみ会館では、次回の割引券がでるだけで、劇場が違えば、また同じ劇場でも、スタッフが違うと対応が違うのかなー。

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