希望舞台「釈迦内柩唄」
初めて見たのは昨年の6月だから、だいたい1年半ぶりだ。会場は和歌山県民文化会館。なかなかの盛況ぶりで、昼も、夜も、チケットは売り切れだと聞いていた。それだけ主催者側のしっかりした取り組みがあったようだ。
今回は、ご招待をいただいたので、最前列で観ることにした。真ん中は前列から埋まっていだが、下手側の最前列に空席があったので、かぶりつきで観劇することができた。
2度目ということもあって、ストーリーは分かっている。しかし、大筋はともかく、細かなところはけっこう忘れたり、見落としたりしているものだ。あれ、こんなシーンあったけ、なんていうとこもしばしば。
主演の女優の目から涙が、すっと一筋流れ落ちるのが見える。客席では、同じように泣いておられる女性もあった。台詞と一緒につばきが飛ぶところも見えてくる。おかげで、プロの俳優たちの迫力ある舞台を堪能することができた。
故人となられた作家、水上勉が、死体焼き場に従事するオンボ(隠亡)家族の生き方と、戦争中に起こった秋田県の花岡鉱山での朝鮮人労働者への大虐殺をもとにした戯曲。この劇団では1000回公演を目指していると聞いた。
いまの舞台演出は、2年ほど前から、俳優の(画家としても有名だが)米倉斉加年氏が演出をしているので、以前とはまた雰囲気が違うらしい。しかし、ぼくは米倉演出しか知らないので、あれこれ比較することは出来ない。最後のところのセリフはこうして終わったほうがいいんじゃないという素人演出はあるが、あくまでも勝手な想像。
でも同じ芝居を2回見せてもらうことで、気づかせてもらうところも多かったし、細かなところまで見せてもらうことができで、とてもよかった。
最後に、主演の有馬さん、母親役のゆかりさんと記念撮影。有馬さん、涙で一杯の顔なのに、やりとげた表情は、さすがに女優さん。
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