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フンダリカという地獄

 猛暑だ。
 連日、40度超えで、日本のi最高記録まで誕生した。
 京都も暑い。39度を最高に、38度超える日が、今日で5日連続となった。

Img_6675 猛暑の中、自転車に乗って、自力整体に行って、ランチ。いきつけのカフェが6月で閉店となった()ので、姉小路の御幸町通角にあるパークカフェで、パスタを食べることにした。

 暑い時には、精神的にも暑いものがいいと、石田瑞麿博士の『日本人と地獄』を読んでいる。同じ講談社学術文庫には、山辺習学著『地獄の話』という名著もある。そちらもお勧めだ。Img_6677

 それにしても、この暑さ。いよいよ五濁悪世がいきついて地獄の釜の猛火が人間界まで届いているのかもしれないと思いつつ、赤いパスタ、ボロネーゼを食べる。

 ところで、「芬陀利華」( フンダリカ )とは お浄土の白蓮華のことだが、実は、焦熱地獄の別処に、フンダリカ(白蓮華)と名付けられる地獄があるというのだ。全身火ダルマになっている罪人が、フンダリカの池があると聞いて走っていくと、その途中に火坑に墜ち、また全身を焼き尽くされる。しかしまた生き返り、また焼き尽くされてまた生き返りを何度も繰り返して、やっとのことで坑をでて、池にたどりつく。ところが、なんとフンダリカ(白蓮華)が、高さ五百由旬(ゆじゃん)のもの炎となって燃えさかり、また罪人を焼き尽くし、焼き尽くし、焼き尽くしを、何度も繰り返さねばならないというのである。これは、餓死して天に生まれたいということを望み、他人もこの邪見を抱かせた、つまり間違った思想(邪見)のものが墜ちImg_6680_2_2るところだというだ。

 ふーん、そうなのか。清浄で、美しい白蓮華、フンダリカが、地獄の名前だったというのも、なんとも恐ろしいことだ。でも、どこかで妙に納得するぼくもいるけれど…。

 カフェを出て、映画館に向かう。
 映画館の横にある誓願寺では、阿弥陀様がじっと見つめておられる。繁華街の喧噪のなかで、しばしお念仏。

 

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