むねの木こども美術館(どんぐり)
早朝、暁天勤行と座禅体験があったが、パスして倉真温泉で寛いだ。パスをした不届き者は、2人だけだったようだ。その代わり(?)朝食もいただいた。朝食抜きを初めて10年以上になるとすっかりカラダは慣れているが、
旅先では三食きっちり食べる時がある。勿体ないというのか、単なる貧乏症なだけである。
法話後の座談会。開け放たれた本堂は、緑の中で話し合いで気持ちがいい。ところが、こんなところにまできて、いつもと同じような役割や関わりで、進展しないのは勿体ないなー。せっかく自然の中にいるのだから、頭を休めて、カラダの声を聞きながらの座談をおすすめをした。
昼食は、昨晩の懇親会の時に、仏青の皆さんが、ワイワイ楽しそうにやりながら仕込まれた、精進カレーだ。檀家さん提供の野菜もたっぷりで、なかなかおいしかった。ごちそうさま。
昼食後は、ねむの木学園へ。宮城まり子さんでも有名な社会福祉施設だが、お寺から車で15分ほどのところにある。ここが、姪ッ子のRちゃんの勤務先なのだ。最初は、ごく普通の学校のイメージでいたが、「むねの木」村といわれ、緑豊かな山沿
いに、童話さながらの建物が並んでいて、かなり新鮮な思いがした。http://www.nemunoki.or.jp/nemunokimura/index.html
施設だけなでく、カフェや美術館なども建物が点在している。時間の関係で、吉行淳之介文学館にはいけなかったのは、ザンネンだったが、今回は、ねむの木こども美術館(どんぐり)で、学園の入所者たちの絵画を
鑑賞した。
「どんぐり」の愛称は、この建物からきている。緑もまぶしく、木のぬくもりや採光もここちよい空間に、いわゆるアール・ブリュットとも呼ばれるもので特別な指導していないというのであったが、かくも鮮やかな原色の色彩や、細密画のようにドットで表現されたこだわりの絵画が、みるものの心に響く、不思議な魅力を放っていた。内部は、撮影禁止だったが、一部が、以下の公式HPに掲載されている。http://www.nemunoki.or.jp/gallery/index.html
一昨日奈良で出会った、無著菩薩像のような重厚さと威厳をもつには、それだけの歴史と伝統の重み、信仰の篤さのたまものである。その意味では、いま目の前の作品が、1000年後に残っていることはないだろう。しかし、いま、ここに生きているものの声えなき声が、このようなパフォーマンスをとって立ち上がれ、届けられてきたからこそ、観るものの心を打つのかもしれない。
ここで半日はゆっくりしたかったが、まだ昼座の分級座談もある。そして、最後は、禅宗の習わしで、釈尊の御足を頂戴する三拝、カラダをかけて礼拝させてもらって、2日間の濃厚な集いは、無事に終わった。
会場の掃除や準備のために、前後も宿泊された方もあった。今回は、皆さんが、力をあわせて、動きながら作られていくプロセスが尊いと思えた。すべてお膳立てされて、単なるお客さんでの参加ではない貴重な体験があったればこそ、盛り上がった集いになったのではないか。
帰路、高速に入って忘れ物に気がついた。Tさんもぼくも携帯をもっていない。いまどきこんなアナログな組み合わせはない。PAに立ち寄ったももの公衆電話は撤去されていて、SAにしかないといわれた。まあ、別に急ぐこともなかったので、名古屋に途中下車して、浅野屋洋食店御馳走を食べることにした。Tさんは初見参とのことだ。こうして濃厚な2日間をおいしく締めくくった。
| 固定リンク
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 『居酒屋夢子・1961』(2022.11.16)
- 大須演芸場での「釈迦内柩唄」(2022.09.22)
- 「ブッダのお弟子さんたち」展(2022.06.17)
- 「最澄と天台宗のすべて」~伝教大師1200年大遠忌記念~(2022.06.01)
- 国宝、聖林寺十一面観音展(2022.03.14)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 4年ぶりの北海道(4)~旭川・川村カ子トアイヌ記念館(2023.02.02)
- 4年ぶりの北海道~深川市~(2023.02.02)
- 4年ぶりの北海道(2)~白老・ウポポイ~ (2023.02.01)
- 4年ぶりの北海道(1)~登別温泉~(2023.02.01)
- 願寿寺の紅葉(2022.11.24)