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初めて~五重塔初層~

Img_3952 お客様がおいでになると、近場の西本願寺と東寺(教王護国寺)をご案内することが多い。

 有料ゾーンの拝観は、普通は、講堂と金堂のふたつである。特に、講堂は、密教の宇宙観を経典(言葉)では表せきれないものを、立体的な曼陀羅として顕した講堂の二十一軆もの仏像群で構成される立体曼陀羅があって、何度見ても見事の一言で、その度毎の発見がある。今回は、大日如来の化身である不動明王の迫力のすばらしに魅せられた。また、如Img_3933来を守護する天部もすばらしいが、帝釈天と梵天は特に秀逸で、帝釈天の男前度はピカ一で、思わず「わーあ、美形」と声がある。悟りの静寂や深遠さを表した如来像よりも、持物も多く、またより人間に近い天の方が、表情や姿勢もより細やかに表現しやすいからであろう。

Img_3937_2 ところで、今回の目的は、五重塔の内部である。しばしば特別公開されるのだが、近くにいるのに(というより身近すぎて)と、なかなかその機会がなかった。51年間、毎日のように眺めているのだが、51年目にして、ちょっとワクワクしながら、初め五重塔の初層を拝観されてもらった。

Img_3944http://www.toji.or.jp/2013_spring.shtml

 えー、思ったよりも、ずっと小さいことに、まず驚いた。ご承知のとおり、東寺の五重塔は、高さ55mで、現存する木造建築物としては、日本一の高さを誇る。その高さに比べると、この狭さはびっくりである。

Img_3945  9世紀に創建されたが、その高さのゆえに、落雷などによって何度も焼失しているのだ。しかし、一度も、地震では倒壊していない。その理由に、有力説はあるが、現代においても、ほんとうのところ確定的ではないのだから、そんなものを9世紀に建立したこと自体が驚きである。現在のものは、徳川家光によって再建された5代目で、江戸時代のものだが、国宝だ。

Img_3942 内部には、中央に五重塔の心柱がある。実は、これが大日如来であり、その回りを四軆の如来が囲んでいる。それで、講堂と同じ五智如来の配置となり、その回りは八大菩薩が奉られている。それ以外にも、柱や壁には、かなり彩色が薄れているが、たとえば護法八方天や八大龍王、そして真言の八祖師などが描かれていた。平安時代の講堂の仏像群と比べると、明らかに江戸期のものではあるが、Img_3950それでも、この静かに佇む雰囲気は、なんとも表現しがたく、魅せられる。

 今日は、ときより時雨れる天気で、風も強くて、5月というのに、肌寒い。それでも、お庭の池の回りには、さまざまな初夏に向かう花々が咲いていて、美しい。

 確実に、春は新緑の季節へと向かっている。

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