南円堂
さて、いよいよお目当ての南円堂と北円堂である。興福寺は、4年ぶりになる。
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はやる心を抑えて、ちょっと回りを散策して、時間を潰す。混雑を考えて、金曜日の拝観時間が延長されてる夕方を狙って訪れだが、まだ修学旅行生が騒がしい。
まずは、創建1200年を記念して特別公開されている南円堂へ。普段は、非公開で、1年に1日(10月17日のみ)だけ一般公開されるが、今回は、北円堂と、同時公開である。拝観受付で、「根付ストラップ」と、下足をいれるエコ・バックが、記念品として配られたいた。
南円堂は、今日でも、西国三十三箇所の札所としも、賑わっている。観音菩薩がご本尊である。
薄暗いお堂の中へ。中央の観音様は、国宝の不空羂索観音菩薩坐像。鎌倉期、康慶作である。お堂一杯の340センチ(3メートル)を超す、重量感のある立派な体躯をされておられた。「不空羂索」の羂索とは網のことで、手に持つ網で、衆生の願いを空しいものにしない(不空)という誓願を立てれている。観音様なので、冠には、阿弥陀様を頂かれている。三眼をもたれ、八臂(はっぴ)=つまり八本の手をもって、蓮華坐の上に、堂々とお座りになっておられた。まさにお堂全体を圧倒するのようだ。
そして、その回りを国宝の四天王立像が護っておられる。
四体それぞれが、写実的で、躍動的なお姿で、豊かな表情は、なんとも素晴らしい。
入り口には、東の守護の「持国天」。唇を強く噛み、剣の剣先を確かめるかのように、下方を観ておいる。
南の守護の「増長天」は、右手を腰に、左手をあげて戟(げき)をとり、眼を見開き、下方を睨みつて怒号している。
そして、西の守護の「広目天」も、左手をあげて戟(げき)をとるが、右手は握り、増長天は反対に左後方に腰を引き、口をしめて睨みをきかせている。
多宝塔を天高く々掲げ、腰を左にひねって仰ぎ見る「多聞天」は、北方の守護だ。
鎌倉期の代表的な国宝が並び、この五体だけでも濃厚な空間である。本来は、ここに国宝の法相六高僧像も安置されていたのであるから、圧巻であっただろう。
けっして、広いお堂ではないが、たっぷりと五体のお姿を拝見させていただいて、いよいよ北円堂へ。(つづく)
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