素朴
姉から龍谷ミュジーアムの招待券をもらった。義兄が、3月で退官された館長さんの友人という関係で、これまでもたびたびご招待いただいている。
両親を連れて、企画展の若狭・多田寺の名宝展に行く。
この特別展まで、若狭の多田寺のことは、まったく知らなかった。真宗寺院でもないので、どんなご因縁で、龍大の博物館で開催されることになったのも、まったく知らない。
これまで、数回、若狭の各地を巡っている。小浜でも、観光や海水浴にいったこともあるが、いずれも子供のころなので、詳しい記憶はないが、断片的には印象深く覚えている。ただ、お寺の記憶はないが、小さくても古刹が多いことで有名だ。
今回の展示も、国宝級のすごい名品があるわけではないが、素朴の中にも、引き付けるものがある。博物館にある美術品ではなくて、生きた信仰に支えられきた独特の匂いが漂っているからだろうか。
通常展示では、仏教の発展や釈尊伝の展示があった。6月末にシルロードに行くこともあって、西域北道の遺跡に関する展示に、こころが動いた。特に、ここにはベゼクリク千仏洞の誓願図のデジタル復元の回廊がある。しかも、その様子や現地の映像が、ミニシアターでも上映されていた。あー、こんなすごいところに行くんだなーと、感激。
でも、ベゼクリク石窟寺院の壁画の多くは、近代の探検家に持ち去られて、イギリス、ロシア、日本、韓国、インドなど世界各地の一流博物館に分散して保管されている。日本や韓国のものは、大谷探検隊による収集品だ。そのおかげで、崩壊寸前の貴重な美術品が残ったのではあるが、現地にないというのは寂しい。
映像をみた母が、「ここに行っても、何もないのと違うの?」と言われた。まあ、そのとおりだけれども、それをいうならば、どんなところでも映像や写真集の方が、きれいに見えるのにはまちがいない。でも、実際にその場に立たないと分からないことは多いのだ。仏教が播の地の空気感やその匂いは、実際に体感しなけれど、絶対に味わえることはない。その意味でも、いい予習勉強になった。http://museum.ryukoku.ac.jp/bezeklik/index.html
しかも、次回の特別展が、平山郁夫画伯の悠久のシルクロード展というのも、ぼくにはタイムリーだなー。http://museum.ryukoku.ac.jp/exhibition/sp.html
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