平等院
不思議なご因縁があって、宇治の平等院で、阿弥陀如来と対面した。
昔、K先生が企画された「京都阿弥陀さまめぐりの旅」で訪れた以来だ。
毎年、お盆参りには宇治を巡っているで、平等院のすぐ近くまで来ているが、なかなか中に入ることはなかった。
9月から、数年の間、鳳凰堂が改築のために閉鎖されるというニュースもあって、久しぶりに拝観させてもらった。
この当たりも、先日の豪雨の被害があって、境内は修復作業中だったが、拝観に差し障りはない。
久しぶりで驚いたのは、お庭も整備され、別館に宝物館(鳳翔館)が完成していたことだ。国保の梵鐘や鳳凰 そして、多くの来迎の菩薩方が、照明や展示に工夫された、冷房のよく効いた部屋で、間近に拝ませてもらえるようになっている。確かに、隅々まで、じっくりと拝見できて、すばらしい。浄土教美術の頂点の名に
ふさわしいものである。しかし、何か違う感じもする。ここにあるのは、信仰対象の仏や菩薩ではなく、あくまで国宝のすばらい美術工芸品としての価値が、前面
に出ているからだろう。
その後訪れた、鳳凰堂は暑かった。薄暗い本堂では、照明がないので、九品の絵画も、よく見えない。しかし、この場所で、阿弥陀如来様を間近に拝観すると、手を合わせさるおえない雰囲気が漂ってくる。平安時代の屈指の寄木作りの阿弥陀如来で、定朝の最高傑作だ。しかし、価値ある美術品としてではなく、また当日の最高権力者が力と財を集めた世俗の力のせいでもない。
浄土真宗の阿弥陀様と違い座っておられる。しかし、丸みるあるお体で、静かに端坐されるお姿には、観るものを静寂(平安)へと誘うようなお力を感じさせられた。
平等院には、違う2つの宗派のお寺の管轄になるそうだが、浄土宗の塔頭には、「南無阿弥陀仏」の石碑もたっている。
余談だが、不思議なことだが、数ある寺院国宝の中でも、日本の硬貨や紙幣に、2箇所も登場するのは、平等院だけだ。昔からの10円硬貨は有名だが、1万円札にも鳳凰が描かれているのだ。
あらためて、宇治川と山城の背は低いが緑豊かなに山々に囲まれた宇治は素敵なところだった。
、
| 固定リンク
「京都」カテゴリの記事
- 寒波(2023.01.24)
- 東寺からみなみ会館へ(2023.01.03)
- 東寺の紅葉(2022.11.22)
- 比叡山へ(4)~黒谷青龍寺~(2022.10.20)
- 比叡山へ(3)~浄土院~(2022.10.19)