広島WS一転し、また一転し葬儀
ここ3年間、3月の日高支部法座の翌日から、広島での2泊3日の真宗カウンセリングWSと、出張が続いた。今年も、3月の初めまで、その段取りをしていたが、ちょうどその日に税務調査の打診があった。先方と、他の日も相談したが、ぼくの予定もけっこう詰まっていたので、せめて、その翌日にしてもらって、OKした。それでも真宗カウンセリングWSは難しいと判断して、8月の世話人であるMANU.さんに無理を言って交代してもらった。広島では、同じ内容で、年に2度、真宗カウンセリングWSを開いているのだ。
それが、月曜日の早朝からの電話が鳴る。こんな時間に……。やはり、10ケ月ぶりの葬儀の依頼だ。最近は、1年に1度は依頼がある。それで、臨終勤行(一般での枕経)、通夜、葬儀と、うまい具合に、広島WSのキャンセルで開いた3日間と重なった。まるで、このために交代してもらったのかと思うほどのタイミングである。
古くからある数軒の檀家のひとつのお宅。93歳の古参の華光同人の訃報だった。もう長い間、施設と入院を繰り返しておられるので、ほとんどの方はご存じないだろう。でも、お若いころには熱心にお参りされ、婦人会でお世話もくださっていた。機(自分のありのままの姿)を見つめるお味わいには、独特のものがあったことも、よく覚えている。すでにご長男も、そのお嫁さんも、若くして亡くなっている。喪主は、子供大会にも参加してくれいたお孫さんで、いつも大きな声で勤行し、お念仏されて、素直にご聴聞くださるの姿に、なんとかご縁をと期待しているお一人だ。法名は、「釋妙光」と付けさてもらった。
いつものように「日常聖典」を持参して、皆さんがいちばん親しい方で、遠方の親族も集まっているので、こころひとつにして、故人を偲ぶと共に、ひとりひとりのいのちを見つめさせてもちいましょうという、説明をしてから、勤行を行なう。慣れてないなりにも、声の出たことを喜びつつ、やはりお念仏の声はないので、「南無阿弥陀仏」のおいわれを説明して、声に出してお念仏をしてくださることをお願いしたら、最後には、皆さん、一心に称名念仏してくださった。
そして、なるべく皆さんが声を出しやすい勤行にした還骨勤行と初七日が終わてからの会食では、全員に故人の想い出を一口ずつ話してもらう。お通夜の席から、宿題を出しておいたので、皆さん、真剣に振り返ってくださった。なかには、宿題のおかげで、自分の70年の人生(けっきょく、生まれた瞬間からいつも、すべてお母さんと一緒生きているんだなー)を振り返って、眠れなっかったという人もあったが、皆さん、胸を詰まらせ、涙ながらにその思い出を語ってくださった。みんなも男泣きされる。それぞれには、母であり、義母であり、姉であり、祖母であり、曾祖母であるのだが、そのご縁でここに皆さんが遠近各地から集ってこられた。それをこころを一つにして偲び、そのお徳に感謝される熱い想いに触れて、こちらまで胸が熱くなるようだった。
いろいろな角度から故人の姿が映し出されたが、最後に、ぼくからは、皆さんがご存じなかった信仰に生きておられた側面の姿をお話をして、結んだ。しかし、「これで宿題が終わったわけではないですよ。次は、四九日、そして一周忌とつづきます」というと、「エー!」という声があがる。でも、みんなまんざらでもない様子で、ほんとうに故人を偲び、ひとつになって読経し、聴聞し、そして声に出して感謝の意を述べ、あらためて自分の命の意味、自分の生き方を見直してくださった2日間であった。
慣れていないので、準備がたいへんだが、我ながら、これをメーンに商売替えをしようかなーと思ったほど、いいご縁をいただいた。
一仕事を終えたが、明日は、10年ぶりの税務調査である。
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