寒中研修会、あっという間に終わる
2日間の寒中仏青。なんだか、アッという間に始まって、アッという間に終わった感があった。
これまでの仏青の中心メンバーも、30代前後で、結婚したり、子供が生まれたり、仕事も忙しくなっていて、仏青の中でも世代交代が進行中である。4月からは、いわゆる仏青バブル世代で持ち回っていた仏青会長も、今回は若返りで、新鮮な顔ぶれとなるようだ。ただ、京都にいる学生(特に女子)がほとんどなくなり、例会や日曜礼拝の先生はかなり寂しい。近畿圏に子供大会出身者がいるのだが、積極的に関わる気持ちは少なくて、ここは今後の課題。もうひとつは、ぼくのグループの分級座談も、高校生や大学生が中心で、随分若かったが、遠慮があるのか、どことなく自分の自信がなさそうで、全般に大人しめで静かだった。このあたりは、過渡期なので、焦らず関わっていくしかない。
悟朗先生のご法話は、「浄土真宗の特色」と題して、概観的に浄土真宗の教義の特色を話された。ただ詳細なプリントを読み上げてのご法話で、語句や導入の解説がなかったこともあって、ご法話についていけていない人もあったようだ。もちろん、参加者の中には、真宗学の博士課程を修了している僧侶もおられるのだが、高校生の参加者もあって焦点をどこにあてるのかが難しい。
懇親会などで皆さんと話している内に、翌日のぼくのテーマを、急遽変更することにした。
以前、ある僧侶などの集まりで話した教案をもとに、「浄土真宗」の宗名から、その特色について概説した。いまから2500年昔に、インドで仏教が興り、それが各地に伝播した。しかし、(アンベードカルの新仏教を除くと)本家のインドは仏教が遥か昔に滅び、中国やモンゴル、ベトナムなどの共産化した国々でも衰退している。南伝仏教である上座部の仏教は、スリランカやタイ、ビルマなどで息づいているが、結局、大乗仏教となる、密教と土着信仰が結びついたチベットと、日本だけということになる。では、大乗仏教が息づいているという日本においても、その実態は、先祖供養や現世祈祷が中心になっている。では、ほんとうの意味で釈尊の真精神は、どこに継承されているのだろうか。親鸞聖人は、宗派名としての浄土真宗ではなく、浄土真実の教えである、選択本願を浄土真宗と名付けられた。それは、自利利他円満した法蔵菩薩の菩薩行の精神、つまり、弥陀の大悲心で回向されるお働きでああり、その元にある本願力こそが、大乗仏教の中の至極だといわれるのである。
では、その本願力回向は、どこに躍動しているのか。けっして、宗派としての教団や会にあるのではなく、まさに、いま、この私の上に息づいているのではないか。その意味では、時は、末法の五濁悪世、機は、極悪邪見の泥凡夫。しかし、不思議の本願力回向の働きが、この口から「南無阿弥陀仏」となってとどろき渡るところにしか生きたお念仏はない。そのことを、法蔵菩薩の願・行の有り様から興して聞いていただいた。時機相応の法である。
ほかにもいろいろあったけれど、今夜はここまで。
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コメント
先生、2日間 ほんとうにありがとうございました。
実際、本当にあっという間に終わってしまいました。
人生もあっという間に過ぎ去ってしまうのだと
味わいました。だからこそ、落ち着いてすごせる会館で、仏法を聞かせていただける時間が、分級で話し合える時間が、とってもうれしかったです。ありがとうございました。
投稿: 西岡 長男 | 2011年2月 8日 (火) 09:50
西岡 長男さん>
お世話役、特に初リーダー役ご苦労さまでした。
そうじや反省会の最後までお疲れさまでした。なぜか、最後は男性3名だけと、ちょっとさみしかったですが、落ち着いた集いになってと思います。
もう少しだけ感想を書きます。
投稿: かりもん | 2011年2月 8日 (火) 19:10