お待ち受け法要
この週末は、法座案内に未掲載の布教や法事(年忌法要)が続いた。
土曜日は、姫路市に隣接する、兵庫県宍粟市の山崎町のお寺へでの布教。
といっても、お寺単独の法座ではなく、宍粟市のお寺の集まり(組「そ」という単位)が、21ヶ寺あって、組の主催での、来年の親鸞聖人750回大遠忌に向けた「お待ちうけ法座」があった。本山からも文書伝達がある公式な行事ある。
最初は、連続研修会に、ちょっこと750回大遠忌に向けての何かを話せという程度の話をいただいた。そのつもりをしていたら、連研の日時と会場を使って、けっこう規模の大きな法要法座になっていた。
当然、お坊さんも20名は出勤されて、大遠忌に合わせて、「宗祖讃仰作法」の音楽法要が営まれた。音楽法要なので、ご和讃も、念仏も流れるように進んでいくのは、不思議な感覚だった。
でも、今回も、企画者(いや、首謀者(?))のお気持ちは、単なる法要で終わるのではなく、ご法話もしっかりと聞いていただきたいとの趣旨がこめられている。なんのために、大遠忌があるのか。親鸞様のご苦労があるのかを聞いていただきたいと言われた。
出勤されたご住職方も、皆さん、ご聴聞される。だいだい200名ぐらいのお参りだったようて、ご法縁に篤い熱心な地域だ。
今日はまた真夏に逆戻り。本堂は、暑い。扇風機は回っているが、よくみると、講師のところは、何もない。そのせいではないが、ちょっと力をいれて、少し厳しい目の導入となった。
「音楽法要」の冒頭に、親鸞さまのお手紙(御消息)の拝読があった。
「弥陀の本願と申すは、名号を称えん者をば、極楽へ向えんと、誓わせたまいたるを、ふかく信じて称うるが、めでたきことにて候なり」
演壇を前に、お念仏をした。しばらくお念仏し続けてた。反応はない。無言で、皆さんのお顔を眺め、お一人お一人をみ渡しながら、またお念仏をした。すると、ボチボチとお念仏の声がでるが、ほんとうに反応はうすい。うーん、お寺はなんのためにあるのか。こんな大きな建物をたて、皆が集うのは、ご聴聞の場であるからだ。それは、私自身を聞く。仏様の鏡に移った私を聞くのである。そして、その行き先を聴かせていただく。そして、阿弥陀様のお心に触れたならば、阿弥陀様のお仰せにあったならば、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」とお念仏させてもらうのである。なんの憚ることも、なんの遠慮も、なんの心配もなく、称名念仏するための場が、このご本堂である。
たとえ、荘厳な法要があっても、お念仏の声がしないお寺では、まったく意味はない。では、なぜ満堂の皆さんから、「南無阿弥陀仏」の声が出ないか。別に、人ではない、私のこの虚仮不実の心をもって、この不浄の口から、真実清浄の「南無阿弥陀仏」の呼び声がお出ましくださるのである。この私が、お念仏を喜ぶ身に成らせていただくのである。そのこと一つが、親鸞様のご恩徳に報いる道なのである。
終了したあと、お世話の僧俗の方々と、つまみを食べながら談話し、一言ずつ感想を述べてくださった。法話に触れられない方もあったが、お念仏が続いて、すごくインパクトを受けたという方もあった。中には、「今日から、朝晩5分ずつ称名念仏します」と言わた方もあった。一方で、「聴聞しても、なかなか人間ができません。すぐに腹立ちの心がでるので、しっかり聴聞してたしなめる人間になっていきたいです」との発言もあった。「そこがお目当てじゃないんですか。まずは、その自分をありのままにお聞かせに預かっていきたいですよね」と答えたが、あまりピンとこられている様子はない。皆さんの発言から、門徒やお世話役でも、なかなか自分を問題にし、後生を問題にして、聞法することの稀さを痛感させられた。しかし、お寺の連合なので、そのお寺のご門徒さんによっても、意識が違うのが、よく分かる。だから、お寺によっては、お育てを受けて、自分の問題として聞かれているご門徒さんも、しっかりと育っておられるのは、有り難かった。
自身の力の無さに、時に、虚しい気持ちになることもある。しかし、何もしなけれど、何も変わらない。といっても、一度ぐらい変わったことをしたことろで、簡単には浸透しないのである。たとえ、その場の手応えがなくても、自らが聴かせていただた信じるところを、根気よりやり続けることでしか道はないのである。決して、たやすいことなはでい。しかし、ほんの少しのずつではあるが、意識に変化がみられていく。その場ではなくても、いつかは花開くこともある。
今回のテーマの「連続無窮のお働き」ではないが、そのような先に歩く先達のお導きによって、長い長いお育てを受けたのである。そして、後のものが、またその後に続くのある。前の人達を導かれ、後の人達に励まされて、私が仏道を歩ませていただくのである。
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