盆参りと、北山別院と、ルース・ヨンカーと。
週末は、お盆参り。軒数は少ないが、京都の南から北へ移動する。
午前中は、伏見の向島、上鳥羽と、近鉄電車で回った。午後からは、岩倉と一乗寺へと、こちらは車で移動。お盆のころは、京都市内の道路は、それほどの渋滞はない。でも、今年は、土曜、日曜に重なったために、中心部の幹線道路は軒並み混んでいた。細い道を通ると空いている。お墓参りや観光客の車も多いのだろう。岩倉までは、会館からでも50分はかかる。
若いご主人が、ぼくの横で、ぼくより大声で阿弥陀経をあげ、お念仏してくださる。ちょくちょく間違われるし、時間もかかるが、それで一緒に勤行してくださるのが、なにより有り難い。もちろん、ご法話の問いにも、熱心に答えてくださる。
帰路は、宮本武蔵の決闘の場である一乗寺下がり松の一乗寺経由。白川通りを走っていると、北山別院の案内板があった。一昨日は、西山別院を参詣したので、ちょっと寄り道。白川通りを東に200Mほどあがって、北山別院に立ち寄る。近くには詩仙堂もある。
初めてお参りするが、若き日の親鸞聖人が、比叡山から六角堂に百日間の参籠を行ったとき、雲母坂の行き帰りに身を清め、喉を潤したといわれる井戸である「御聖水(ごせいすい)」と、その横には、聖徳太子影向石もある、ご旧跡地だ。もちろん、このあたりは伝承の域をでないのだろうが、それでも往時を偲ぶことができる。
ただ、残念なことに、最近ここが有名になったのは、架空墓地問題で、宗派を大きく揺るがしかねないスキャンダルが持ち上がったからだ。結局、臭いものにはフタがされたのか、せっかくの「聖水」の地も、汚れた聖地となってしまったのか。
性格は違うが、覚如上人の墓前に展開する西山別院の墓地問題でも、別院、宗派と業者の間で、長年にわたる係争が起こっている。いづれも、墓地が絡んで、まったく浄土真宗の信仰や、ご信心とは無関係な、100%世俗の争いのようだ。
事実関係はともかく、このゴタゴタが続くのを見ても、末法五濁であることには代わりはない。
親鸞聖人が『化巻』に引用される『大集経月蔵分』による五五百年には、最後の五百年は、「闘諍堅固」の時代だという。また別には、僧侶は妻子や使用人をもち、訴訟などに頭をつっこむなど、俗人のような生活をおくり、仏法はそっちのこになるとも説かれている。
法衣を着ていても、金と権力が集まるとロクなことはないようだ。
もっとも、ぼくには、いまところ金にも権力にも無縁だか、性根がロクでもないのには変わりはない…。
せっかくのご旧跡地も、こんな説明では台無しだ。気を取り直して、別院の坂をおりてきた道沿いにあるcafe「Gades」(カフェ・ガデス)に、法衣姿で立ち寄た。これは昨年と同じバターンだ。
ぼくがジャズ好きなのをよく知る男前のマスターが、「このオランダのジャズボーカルを知ってる? 久しぶりにはまってるわー」と、熱心に勧めてくれる。「これがデビューアルバムなのに、この先楽しみだなー」と、かなりのお気に入りの様子。
そのアルバムとは、ROOS JONKER(ルース・ヨンカー)の『Roos』(ルース)だ。
なぜか、ぼくも昔から、オラングの女性ジャズボーカルが、大好きだ。かなり古いが、リタ・ライスに、アン・バートンの『ブルー・バートン』と『バラード&バートン』を愛聴している。確かに、このサルトな感じは、ぼくも好きだ。
ジンジャーエールをベースにしたオリジナルのソフトドリンク(これがうまい!)を飲みながら、しばし一休みして、鋭気を養って、次へと移動。
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