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『ローラーガールズ・ダイヤリー』

Rollergirls_01

 「日米対抗ローラーゲーム!!」と、司会(土居まさるだった?)の声。東京ボンバーズ、佐々木陽子、「コールオフ」と宣言して腰に手を当てて…。味方の手や足で助走を付けてホイップする。走るブロレスとして、そのスピード性と、格闘技の醍醐味、さらには「日米」対抗というのも、受けた要因か。ああ、けっこう覚えているもんだなー。

 毎回、テレビで観戦して、ローラースケートもできないのに、みんな真似をして遊んだものだ。でも、それは、ぼくが、小学校の高学年の1~2年間限定。ローラースケートを買おうとみんなが言い出したころには、ブームは去っていくところだった。35、6年前のことだろうか。当然、30代や年輩の方には分からないだろう。局地的な狭い範囲で、40代後半から50代ぐらい世代の方で、懐かしく思う人もいるかもしれない。

 限られた時機、日本中で、大ブームを巻き起こし、あっという間に飽きられるスポーツがある。ぼくの子ども時代なら、ボーリングと、キックポクシング(沢村忠)、そしてこのローラーゲームが、それだ。もっとも、ボーリングは、観るスポーツから、やるスポーツに、キックも、K-1などに分裂したり、発展したりしているが、ローラーゲームだけは、数年で、見事に飽きられて、一般には消えていった。いまから考えると、ボーリングや、ローラーゲームは、男性よりも、女性の参加が好まれたのだろうか。男性5人女性5人で、男女別に得点を競い合ながら、時に、男女混戦での乱闘シーンもお約束だったような気がする。当時は、プロスポーツや、格闘技は、男性のものだった。それだけに、小柄な日本女性が、巨大なアメリカ人、時に男性と血みどろになって戦う姿は、確実に、当時の日本人の何かをくすぐるに、十分なものだった。

 で、なんで、こんな懐かしいことを急に書くのかというと、ローラーゲーム(アメリカでは、ローラーダービー)に、青春をかける女性が主人公の、『ローラーガールズ・ダイヤリー』を観たからだ。

 アメリカでは歴史も古く、いまでもさまざまなリーグーもあって盛んだというのだ。しかも、男性でなはく、女性のスポーツとしてだ。もっとも、盛んといっても、メジャーではないだろう。この映画の中でも、憧れて飛び込んだ主人公が、入団テストの時に、「ところで、ルールを教えて」と、尋ねるところから始まる。もちろん、これは観客向けでもある。各国に配給される時のものだろう。それだけに、試合の様子が、たびたび登場してくる。

 もっとも、ぼくには、子どもの時のような、ワクワク感はこのジャムからは感じられなかったなー。場外乱闘や、敵の協力なしでは絶対不可能な大技など、もっと演出されてたのかもしれない。もっとも、映画自体は悪くなっかった。

 ドリュー・バリモアの初監督作。どこかで、自分の子ども時代(彼女の場合は、映画世界だけど)を投影している作品にもみえたが、なかなか爽快な青春エンタテインメントといっいい。

 アメリカの片田舎町で、母親の果たせなかった夢を実現させるために、優等生美人コンテストと、退屈なバイトを過ごす、17歳の女子高生。ある日、ローラーゲームに出逢って一変する。高校生の妊娠物語(これはいい作品)『JUNO/ジュノ』のエレン・ペイジが、好演。娘に、自分の夢を投影する母親、日々不満を持ちながらも、夫婦円満を第一に、首をすぼめて生きる父親…。母子物語なので、母親役の評価が高いけれども、個人的には父親が素敵だと思った。夢を実現するために、家を飛び出す娘。両親を責める捨てぜりふを残す。愛娘に痛いところ詰られながらも、その娘の謝罪を素直をと受ける。「もう忘れたよ」とサラリ。かっこいいなー、こんなセリフ言ってみたいな。

 難をいえば、どれだけ天性のものがあったかしらないが、ド素人の高校生が、この一癖も二癖もある女性集団の中で、簡単に頭角をあらわすのは、ちょっと不自然か。でも、まあそれもいいかなか。

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コメント

同じく(一時的に)熱狂した口ですね。

投稿: MANU. | 2010年7月24日 (土) 09:26

「壮年の集い」御世話になりました。


(女性の)ローラーゲーム好きですね。これ以上書くと趣味がばれるので・・・(笑)。

映画も観たいですね。生きていればいつの日か観られるでしょう。高橋伴明監督の『禅ZEN』は、最近、WOWOWで観ました。

今、個人的に楽しみにしているのは、井口昇監督!!の『電人ザボーガー』ですね。

ピープロダクションの作品群は数年前、「日本映画専門チャンネル」その他でまとめて放送されましたが、創始者のうしおそうじ(鷺巣富雄)氏は、特撮では円谷英二監督の弟子筋で、漫画家としては手塚治虫氏にも一目置かれ、TVアニメは、虫プロの下請けとして、『鉄腕アトム』も確か1クール分だか制作。三船敏郎氏とは戦友!!(その縁で三船プロとも交友関係があった)息子氏は、『エヴァンゲリヲン』外アニメでもおなじみの作曲家、鷺巣詩郎氏。という結構すごい人です(故人)。

『エイトマン』『ミラーマン』『シルバー仮面』『ライオン丸』(これピープロ作品)etc
近年、昭和の特撮ヒーローのリメイク作品のどれもが、ひねりすぎなどで失敗してるので、オリジナルに負けない昭和テイスト全開に、ややオジサン色(笑)を加えて(ミスボーグ役は、新体操出身の山崎真美とのことだが、阿波出身で阿波踊りの名手?の藤山律子女史のオリジナルにはどうみても勝てないと思うが)ピープロへのリスペクトが感じられる作品を期待してます。

投稿: 縄文ボーイ | 2010年7月24日 (土) 18:12

MANUさん、よかった、反応があって…。っぱり同世代者だわー。

縄文ボーイさん、特撮ものにも詳しいんですね。『電人ザボーガー』こころに留めておきます。それしても、知らないことがないんじゃないかと思うぐらい、
博学&雑学王やなー。

投稿: かりもん | 2010年7月29日 (木) 01:52

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