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長谷川等伯展

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 4月の最終日。長谷川等伯展』にリベンジ。混雑しているだろうと、夜間開演の閉館前をねらって、夕方6時30分に家を出発。閉館時間が近いのに、中に入るまではまだ列が出来ていて、20分待ち。結局、閉館8時まで中にいたけれど、けっこうな混雑ぶり。夜なので、わが家は子連れ。それでも、少し大きくなったので、子供たちもちょっとは喜んでいたが、人出が多くて、一年生の子どもは、最後はお疲れモード。涅槃図などの仏教に関するモチーフなImg_0453_2ら、多少の説明してあげられるが、あとは、この6歳の彼女の感性が説明。有名な国宝をみても、「ああ、大きなスリッパやな」(おお、たしかに。青いスリッパやわ)とか、「これは、傘地蔵やな」とか、「この人、ヨロヨロなんで、もうすぐ死ぬなー」などの解説は、真顔で鑑賞中の人まで、「アハハ」と笑いを引き出す迷解説ぶり。まあ、みんなも、解説板や図録を読んで、それかあるのを確認にしていくようなもんですからね。

Img_0450_5第1室 能登の絵仏師・長谷川信春
第2室 転機のとき―上洛、等伯の誕生―
第3室 等伯をめぐる人々―肖像画―
第4室 桃山謳歌―金碧画―
第5室 信仰のあかし―本法寺と等伯―
第6室 墨の魔術師―水墨画への傾倒―
第7室 松林図の世界

 こんなテーマで、各時代ことに展示されていたけれど、個人の中でも、これだけの画風や心境のあきらかな変化が体系的にみられるのは興味深かった。才能もさることながら、どれだけ大きなチャンスをもらうか、また支援・支持があるかで、発揮され、開花する潜在的な能力もあるわけですから、その意味では、恵まれていたと同時に、相当な政治力もあったのでしょう。

 個人的には、圧倒的な大きさの「涅槃図」と、金箔画の中では、柳と橋と水車の屏風、さらに「波濤図」のスケールもすごかったけれど、なんといっても、有名な「松林図」。この静寂ぶりは、神業ですね。同時に、屏風前に集まる群萌の喧騒ぶりもすごかったれけど、魅了するのもホンモノのすごさ。

 余談ながら、先日、カラヴァッジオの映画 http://karimon.cocolog-nifty.com/blog/2010/03/post-1a15.htmlをみたけれど、この人も、等伯と同じく1610年没。つまり、没後400年を記念した映画が封切られていたわけ。16世紀~17世紀の、イタリアと日本。現在のように世界の距離が縮まり、画一化されつつある社会では考えられないほど、それぞれの地域で、こんなにも独自の豊かな文化が進行していたと考えると、これまた興味深いですね。

 ちなみに、下がチラシ。この左の青い部分が、ナナちゃんにはスリッパに見えた。以来、ぼくにもスリッパにしか見えなくなったけれど、国宝のスリッパということですね。

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