青蓮院
歌舞錬場をあとに、白川の桜を眺めながら、向かったのは、粟田口の青蓮院だ。
白川沿いの桜も、少しピークをすぎで、ちょっと散り始めたところだったが、陽光に映えてまぶしかった。
今日は、ナナホの入学祝い、連れ合いの入学祝い、カンロの誕生日。ついでに、桜をみたいという母の要望も兼ねて、兼用できるものはすべて兼用してしまうことで、夫婦の思案は一致。それに、たまたま入学式と、指定チケットの都をどりも同じ日だったので、それなら、この界隈で一気にすませておきましょう。
すると、母が、「青蓮院の桜を見たこない」と言うので、そこで待ち合わせにした。でもね、青蓮院って、桜の名所だったのかなー。確かに、東山の清水寺から円山公園、知恩院と連なっているが、すべて桜の名所だし、神宮道に入った平安神宮のある岡崎方面も、桜が有名ではある。
「明日ありと、思う心の、あだ桜 夜半に嵐の 吹かぬものか」と、古歌を引用されたのだから、桜はありそうだが、事実は、ここで有名なのは、天然記念物の楠木の巨木である。伝承では、親鸞さまのお手植えといわれるが、実際は違うだろう。
もちろん、この地は、親鸞聖人の得度の師であり、法然上人の理解者でもあって、慈鎮和尚・慈円の時に隆盛を極めた。浄土教にとっては、たいせつなご旧跡である。
観光客じゃないので、まず植髪堂へ。親鸞聖人が得度の折、剃髪した髪の毛を祀る御堂だ。当然、浄土真宗との関係が深い。本願寺の説教もあるようだ。お堂の中には、聖人のご生涯の絵が掲げられている。しかしである。石のお守りが売っていた。それをめざとくカンロが発見。そして、質問。「仏教にお守りなんかあるの?」。うーん、いくら、浄土真宗とご縁が深いといっても、あくまで天台宗の門跡寺院である。当然、おみくじ も売
っているし、その元祖である元三大師・良源もまつられているのだ。解説には、法然上人、親鸞聖人の師である源信僧都の師匠であると書かれていた。さらにはこんな大数珠まであるのだが、くぐれば厄除けになるというのだ。
それなら、ぼくもご利益に預からなくちゃー。この「植髪堂」というのも、いい響きでしょう。当然、ぼくも、よくよく頭を撫ぜておきました。うん、親鸞さま、お願いします。現世のご利益も広大なことでしょうから…。いや、待てよ。むしろ得度=剃髪するということなので、逆効果なのか?
裏庭には、広瀬精一師の発願された、聖人の髪を修める碑があった。熱心に拝観していたら、得度の時につかったといわれている(完全に伝承です)剃刀と桶(ご旧跡巡拜の時も見せてもらった)までで登場してきたが…。
そうだ、肝心の桜である。
残念ながら、桜の名所というほどの数はないが、右近の桜が満開だった。当然、左近の橘もあった。ここは、御所だったのだ。
桜は少ないかったが、閉門前だったこともあってか、周りの雑踏に比べると観光客も、かなり少なくて、ゆっりく庭を眺めたり、散策することができた。回遊式の庭園と、小御所としての上品な風格ある雰囲気は、静寂もあって、なかなか心が落ち着く。
京都の庭は、人出が少ないというのが、狙い目のポイントなんでしょうね。
なぜか桜は、お隣の公共の公園には、立派なものがありました。このあと、祇園の花見小路に戻って会食して、最後は、円山公園へとつづくのだけれど、これは、また明日にでも…。
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コメント
仏教のお守り、知恩院にもありました。
御影堂もお参りしましたが、よくよく後で考えれば法然様のお姿が飾ってあるから「御影堂」なんですね。神仏がごっちゃになってて、皮肉だなあと思います。
自分は一向専念と聴かせてもらうばかりです。
投稿: 樹氷 | 2010年4月10日 (土) 15:52
樹氷さん、ようこそ。
いま、「真宗法座の集い」の真っ最中。懇親会が終わって寝るところ。
そうなんですよ。お子さんの名前の由来だもんね。だけど、知恩院も法然上人直々ではなく、その弟子の弁長による、念仏往生だけでなく、諸行往生も認めた鎮西派の総本山なんですね。だから、ある種、なんでもあり。その点、腐っても浄土真宗は、因果の道理に基づいて、まじない、祈祷、御札、お守りは一切ない。そこだけは(表面的には)徹底しています。
これも、要は、結局自分のところが問われているんだけど。
投稿: かりもん | 2010年4月11日 (日) 02:10