広島真宗カウンセリングWS(2)~断絶と摂取、それが超越~
肉体的にも、精神的にも、かなり疲れている。
今日は、下腹をグーッと押さえつけられるような、不快な感触に包まれながらも、一方で、一層、解放されて、開いていく自分もいるようだ。いろいろと教えていただき、皆さんに助けていただい3日間だった。そこで、二重、三重の意味でも異なった世界との出会いがあった。異質のものの出会いは、摩擦がおこったり、火花散ったりもある。しかし、しっかり出会うことでエネルギーとなり、一層、自己が解放され、拡がる世界がある。それが、他者を理解し、受容しようとする姿勢であり、また自己が受容されて、理解されていく世界でもある。それは聴くこと、聞の世界こそが、自己の拡がりとつながりを生み出す道なのである。自己と、他者との違いがありながらも、同時に、法の働きによって、その境界が消えてひとつになる、真のつながりの世界があるのだ。その意味でも、さまざまな参加の皆様から聞かせてもらい、受け入れてもらい、そしてつながせてもらったなーというのが実感がある。
ぼくの中にも、いろいろな思いが起こっては消え、浮かんでは消えていく。ほんとうに、ぼくの中はなんでもありで、末通ってはいかない。妄念妄想である。でも、たったひとつの世界に帰られてもらえる幸せも、これもまた揺るぎないものである。いや、ぼくが揺るぎないのではない。南無阿弥陀仏の世界が揺るぎないのである。だからこそ、ぼくひとりのところで喜べると同時に、そのお念仏を通じて、バラバラな、孤独な業魂同士が、不思議につながり、通じ合う世界があるのである。
悲しいかな、まったく不本意でありながら、この世では、愛する同士がいつしか傷つけあい、そして断絶し、ますます孤立を深めていかざるおえない。そのいつ果てるかもしれない迷いの連鎖は、昿劫というはかりしれない昔から、そして未来永劫へと続けていくのである。
しかし、不思議にも、いま、ほんとうに私の帰るべき世界に出会えたのである。それは、私から求めたのではない。衆生からはまったく断絶されている。いや、狂った私が、そのくもの糸を怒りの炎で焼き切ってきたのである。しかし、その真如に背反し続ける業しかもたない私を、一方的に真如そのものの如来様は摂取不捨してくださるのである。逃げるものを追い掛けて抱きとり、修めとったなら、二度と再び放す(迷わす)ことはないのだ!
重ねていう。
私からその悟りの道は閉ざされている。絶対に救われることはないである。絶対に、他力になることはない。絶対に、聴けるはずがない。絶対に、はっきりすることはない。つまり、落ちていくしかないのである。
しかしである。そのものをこそ、必ず、必ず救わずにはおらないお力が、まったく無条件に働いてくださるのである。
私が超えていく、私が翻ると思っていたが、そうではなかった。
真如から、一方的に、超えてくださっていたのである。
真実の世界から、名を垂れ、形を顕してくださった、つまり如来様こそが、翻ってくださていたのである。南無阿弥陀仏が、超えてくださっていたのである。そして、その南無阿弥陀仏に乗じて、超えさせていただくだけである。
各セッションの初めてと終わりには、「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と3分間ずつ、何度も、何度もお念仏させてもらった。わが心は、まったく妄念妄想である。3分の念仏でも、嫌になってくることがある。ただ、早く終わること願うことがある。そのことを、真実によって知らされる。
ところで、その私の口から、真実のそののの名乗りが出て下さっている。私の周りにも、幾重にも諸仏が褒めたたえる念仏が、満ち満ちているのである。
バラバラの私のこころが、南無阿弥陀仏で貫かれている。南無阿弥陀仏と私がひとつにつながっていく。
同時に、バラバラだった人達が、同じ南無阿弥陀仏で貫かれて、そしてつながっていく。
寂しい、空しいこころをもった私が、その孤独なこころをもったままで、包まれていく。
そのことを身にかけて聞かせていただいた。
真宗カウンセリングは、本来の浄土真宗がもっていた、同朋教団、同朋法座へと回帰する道でもあった。
それは、末法の、無仏の時代にあって、私と南無阿弥陀仏が出会う場であると同時に、現在の真宗教団を再生させる可能性に満ちている、唯一の道であるという確信を得たといっていい。
ぼくが目指している真宗カウンセリングや法座の方向性が、かなりハッキリと立ち上がってきだのある。
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コメント
先生、ありがとうございました。いろいろ決心して開いてくださったWS(2)でした。最後には体の痛みに耐えて心が解放されていました。
今日はこの痛み治してもらえるという大きな期待を持って、クリニックへ行ってきます。
もし、元気になったら、今度のの法座では明るい顔を見せられるかも。
この体の不調が治ると、性格が変わるかもとのことですから楽しみにしています。
投稿: | 2010年4月 1日 (木) 10:33
名無しさん(名前がないので)ようこそ。
こちらこそありがとう。
そうですね。からだの痛みも苦痛だもの。治療がうまくいけばいいですね。心身ともに、元気なお姿でお会いしたいです。
投稿: かりもん | 2010年4月 1日 (木) 17:18
先生、皆様ありがとうございました。
帰ってから、さっそく自分の否定の攻撃にあっていました。「じゃべりすぎ」「おおげさ」「甘えてはいけない」「すがってはいけない」大きな声で、私に言い続けます。まさに「断絶」です。素敵な出会いやつながりを
切っていこうとします。何を得て、何を感じたのかわからなくなってしまいます。・・・食べました。
「いがいがちゃん」と名づけてみました。
私がありのままでいようとすると、登場してきて、
すべてを否定しようとします。それは、まるで過保護の親みたいです。
ものすごく私に執着しています。
そんなものをかかえている私に、「南無阿弥陀仏」様は、どんなわたしであっても、
名乗りをあげてくださっています。
私は、断絶しているのに、容赦なく、
「南無阿弥陀仏!南無阿弥陀仏!」と、、、、。
南無阿弥陀仏様の大きな柱がどで~ん!と中心に立っているワークショップでした。
投稿: Tねこ | 2010年4月 2日 (金) 18:05
Tねこさん、お世話になりました。事務局を一心に引き受けてもらって、大いに助かりました。
たぶん、揺り返しもあるかなーと思っていましたが、今回のWSでもそうですが、Tねこさんの最近の成長の足跡に驚かされます。
ところで、ぼくは、断絶」を、私から「南無阿弥陀仏」というお救いに向かう、後生の問題として使っています。だって、自力では絶対に届かないものね。でも、阿弥陀様は、こちらの思いに関わりなく、容赦なしだものね。時に、イヤになっちゃいます。
投稿: かりもん | 2010年4月 2日 (金) 23:48
ああ~、ここだなあと読ませていただきました。
いつも、聞法で、ごっちゃになってしまって、
ずれて聞いてしまうところです。
WSでも、ここのところを丁寧にお聞かせいただきました。ここのところで、私は、「後生」に蓋をしていってしまうんだなあって読ませていただきました。
投稿: Tねこ | 2010年4月 3日 (土) 11:17
そうやね。それが断絶なんだろうね。
ぼくの実感レベルでは「後生の一大事」なんかない。でも、三世、十方を貫く仏様の智慧の目からみれば、「一大事」は叫ばすにはおれない。
だから、そこをお聞かせに預かるんですね。
投稿: かりもん | 2010年4月 3日 (土) 16:03
「重ねていう」から、またくり返しくり返し読んでいます。けれど悲しいことに読みきれないところがあります(ぐっと引きつけられて一字一字咀嚼するんだけど、のみこめない・・・)
投稿: relax | 2010年4月 3日 (土) 19:10
>ぐっと引きつけられて一字一字咀嚼するんだけど、のみこめない…。
そうかー。「咀嚼しも、のみこめない」relaxさんなんだね。なんか、そのあたりに求道に行き詰まるヒントがあるのかなー。
うーん、それはどんな感かなー? のどに仕えるの? それもと大きいすぎる? ひっかかる感覚を探ってみてもいいかもしれないね。
あと、その感じを大切にしつつ、翻って、私がぼた餅になって仏様に、のみこんでもらう世界があるということやね。
投稿: かりもん | 2010年4月 3日 (土) 19:17