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今週みた5本の映画

 今週は、高山法座のあと、華光誌の編集作業だ。並行しながら、8月の子ども大会の会場やら、9月の聞法旅行の案内文などの相談と、近々に近づいてきて「広島真宗カウンセリングWS」の問題などで、何かと相談事も多かった。いろいろと用事があったわりに、うまい具合に映画は見れた。隙間時間と、上映時間がうまく合致したのである。月曜日~金曜日の5日間で5本。京都シネマで3本、みなみ会館で1本、自宅で1本のDVDを見た。

 そのどれもが秀作ぞろいで、何か書こうとしたが下書きで終わっている。ほとんどの映画がそのまま下書きに残ったまま、次ぎの映画を見るからである。せめて、映画のタイトルと一言だけでも書いておけば、またの機会に思い出すこともあるだだろう。

 自宅で見たのは、4年ほど前に、みなみ会館でみた大好きな映画。気分転換を予て、ひとりで食事をする時間を利用したが、短い映画なので、一気に見れる。『ビファア・サンセット』(Before Sunset) 。この9年前に造られた『恋人たちの距離』(酷すぎる邦題はガッカリ。本当は、Before Sunriseなので、続編とツロクするんだなー)の続編。もうこの間隔だけでも、成功している。ぼくたち夫婦は、『恋人たち~』を見たときは、まだ婚約中だったが、『ビファア~』は、結婚してから二人で見に行った。ぼく好みで面白い。臨場感溢れる会話のテンボがすごくいい。このころのイーサン・ホークも好きだし、ジュリー・デルビーの歌も好きだ。やっぱりラストの終わり方ね。何年後かに3部作あるんじゃないかなー。ニーナ・シモンの「Just In Time」が効いている。こうなると、ニーナ・シモンばかり聞きたくなる。

500summer_01

 『(500)日のサマー』は、めちゃくちゃおしゃれなビター&スィートーな恋愛映画。このけっして大甘じゃないところがいい。いかしている彼女だけど、ちょっと変人で、かつ恋愛に覚めている。男性は、いま流行りのアメリカ版草食系男子かなー。彼女に一目惚れ。タイトルとか、ボップなセンスがすごくいい。おしゃれ度80%、クスグリ度もほどよし。

 『フローズン・リバー』は、出演者も、監督も地味、テーマも画面も、天候も時間帯も、やたらに暗い。いや、暗すぎる。だFrozenriver_01が、遥かにぶっきらぼう光りも見えていて、非常に深みのあるインディーズ系の問題作にして、感動作だ。しかし、あまりにも痛い。途中、下腹のあたりをグーと押さえつられる感触が続いたが、途中の何気ないシーンにも、悲劇がおこりそうな不安感、ハラハラ感に包まれて、最後まで目が離せなかった。きれいごとじゃない、下層の人間の本音まるだしのこんな映画に、ぼくは惹かれる傾向があるようだ。

 カナダとアメリカ(ニューヨーク州)を分ける国境の川と、インディアの保護区が舞台。ギャンブル狂いの夫に有り金をすべて持ち逃げされた、子供を抱えた中年女性。貧困大国、アメリカを地で行く生活。100円ショップのパートで糊口を凌いでいるが、トレラーハウスを新築するのも夢のまた夢。一方、夫が事故死し、生まれたばかりの子供が実家に引き取られ、満足な仕事ができない原住民の若い女性が、零下30度の世界の凍りついた川を渡って、違法な密入国に手を染めていく。けっきょく、ボーダーなんてすよね。一線を超える。犯罪に手を染めるのも、国境を超えるのも。そして凍結した川と、春に凍結の緩みと対比もいい。痛い度は90%ながら、お勧め度も高い。

Caravaggio_01

『カラヴァッジョ』は、16世紀のイタリアの天才画家、カラヴァッジョの破天荒な生き方を描いた、わりと正攻法の伝記映画。イタリア・フランス・スペインなどの合作。なんでも、今年が滅後400年で、いま格好を浴びているという。「光の部分は美しく、影の部分は罪深い」という大胆なリアリズムとコントラストの強い陰影で人々を魅了し、教会や貴族などの有力なパトロンを得ながらもら、同時に、自らの押さえ難い熱情的な暴力性で破滅していく姿が、まさに彼の絵画世界そののもで、ある種、美しかった。美術度70%。イタリア地理や歴史の必要度30%。

 もう一本は、みなみ会館で。『ウェーブ』は、2008年のドイツの作品。実話にもとどく、社会派の問題作だけれども、サスペンスみたいでドキドキした。ドイツの高校。1週間の特別講義のひとつに「独裁政治」を学ぶ集中講義。みんな、「ナチスのことはうんざり。自分だけはそんなものに騙されない」といWaveう生徒ばかり。ところが、先生が独裁者役となり、最初は興味半分で始まった心理実験が、現実の生活で不満や寂しさを覚えている生徒たちを熱狂させていって、瞬く間に集団狂気へと走らせていく、アメリカで起きた実際の事件を元にした衝撃のドラマだ。結局、独裁者の精神問題だけでなく、民衆側にも不満や差別、孤独といって負のマグマがうごめいていて、それがグループの中での尊重や団結、選ばれた者たちという特別意識が伝染することで、誰もが熱狂していく。部外者や批判者=標的とする敵が現れると、一方的な攻撃が、組織内部が団結を一層強固にしていく。最後は、指導者の先生にも制御できない事態となって、予想外の悲劇が起こる…。見ているぼくまで、知らないまに、生きがいを見いだしたかのように、嬉々として団結し活動しだした彼に、感情移入していたものなー。冷静に覚めて、批判する奴らなど、ぶっ潰せという気分になるから、ほんとうおそろしいぞー。

 当然、これは政治だけじゃない。宗教だって同じこと。あ、これをどこかで体験している人もいるかなー。善知識に絶対服従というやつね。目的が集金マシンであっても、まったく構造は同じなんだ。独裁者だけの責任でもなく、また騙された方が悪いというわけでもない。世論だったり、集団だったり、現実逃避や差別や不満だったりと、さまざまな心理的、社会的条件が重なったとき、人は理性を失い、いとも簡単に狂気へと走るわけ。しかもそのプロセスでは、脅されたり渋々ではなく、これこそが生きがいだったり、真実にであった高揚感で、賦活感を味わうところに恐ろしさを感じる。宗教でも政治でも、人心を操作する点では同じということか。 洗脳度77、7%。

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コメント

 洗脳度77.7%って・・・
映画でこれだけの数字、実体験ならそりゃ200%越えになるよなあーとしみじみ思いました(今さらながら・・・)

投稿: relax | 2010年3月14日 (日) 06:42

最近、どこかの政治家が、自らの政治姿勢に対する批判に、「ゆらぎ」こそ「宇宙の真理」だとか何とか答えてましたね。理系でT大トップの御方にどうこう言うのも僭越ですが、量子論や、それを応用した宇宙論でよく使われる「ゆらぎ」ですが、そういう自然科学の概念を、社会人文科学などの他のカテゴリーに、厳格な手続きを経ずして安易に援用するのは、一部の、宗教屋(新宗教系が多いですが、既成の伝統系の一部にも)やスピリチュア系の「手口」にあまりに似ていて苦笑させられました。

投稿: 縄文ボーイ | 2010年3月14日 (日) 15:31

私が高校生だった時にオウムサリン事件が契機となって読んだ「危険な純粋さ」という本の中に、ファシズム、ホロコースト、ジハード・・・人間を狂気に走らせるその背後にある構造は、人が本能的に自己に求める「純粋さ(聖・善)への意志」であるとありました。これを基準とすれば、おかしな宗教・思想の判断はつくだろう思っていました。

その上で、大学で某会に声をかけられ「世間虚仮 唯佛是真」といわれる教えを聞いたときはこれはホンモノだと判断し、どっぷりつかってました。しかし、やっぱり例外を認めてしまうんです。知識や会のすることは「正」、世間(会以外)は「邪」。まじめに聴聞している自分は「善」、そうでない世間は「悪」という様に。そして世間が真実しらない馬鹿もので邪に見えてくる。狂気です。

結局、どこまで行っても「虚仮」「邪」と言われているのはこの自分のことだというが抜けていたんですね。洗脳度120%

投稿: 聖路易 | 2010年3月15日 (月) 07:03

 relaxさん、縄文ボーイさん、そして 聖路易さん、コメントありがとうごいます。
 みなさん、「ウエーブ」への反応ですね。やはり、同じ穴のムジナ(?)の皆さん方ですから…。ほんとうに怖いなーと思いました。人ではなくて、私の中にも、その狂気の元がある。聖路易さんがいうように、私はどこまでいっても虚仮不実。何が出て来るかわからないもの。そこが抜けていくなーと。そして、そんな人間が造る組織や人が真実ではなくて、ただ「弥陀の本願」がまことだというところで、お聞かせいただくかしかないですね。そして、そうなると、逆にそう教えていただいた虚仮不実が、虚仮のまま光り輝いてくるから、これまた不思議なんです。南無阿弥陀仏

投稿: かりもん | 2010年3月16日 (火) 22:18

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