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夏の高山支部法座

 珍しく平日法座。日程の都合で、日曜日の都合がつかなかったのだ。

 観光シーズンもはずれた、平日の昼下がり。しかも、ひかり号。新幹線も当然、空いているだろうと、自由席にした。

 ところが、コンコースについて! 修学旅行の団体客とかち合った。中学生が多いようだが、あまり公共マナーがよいとはいえない。というより、日本人は、大人でも大集団になればなるほど、かなり強引に振る舞うようになる。まさに多数者に属することこそが力なのである。人の隙間を縫ってホームへ。で、ここでさらに! ここも制服の列がつづく。下りは人影がないのに、東京方面のホームはごった返している。そう、例のブタインフルの余波である。とてもナンセンスな修学旅行中止のあとで、1ケ月遅れで、観光シーズン前に、修学旅行生が京都にもどってきたようだ。自由席のあたりも学生がベタッと座っている。一瞬、これはと思ったが、こんな大人数が一般車両に乗れるはずがない。閑散帯にあわせて、次々と修学旅行専用の臨時列車が入って来るのだ。人込みのせいで、ちょうどホームに入ってきたのぞみ号を逃した。まあ、次ぎのひかり号でよかったのだが、今度はどこまでが並んでいる人なのか区別がつかず、座れるかどうか心配になってきた。でも、乗車した人は少なく、車内も予想どおりのすき具合。Img_6230

 名古屋駅でひだ号へ。自由席で並んでいると、今回の参加者に声をかけられた。車両は離れているらしい。

 例年、冬の飛騨路しか知らないので、この季節のImg_6235 車窓はまた新鮮。水かさも多いが、いまはどんより曇っている。かなり以前購入したままだった、『さよなら、サイレント・ネイピー』を興味深く読み進む内に、高山へついた。

Img_6246   いつものようにF家でお世話になる。高山駅から、車で15分弱という感じだが、途中、晴れていれば、乗鞍や御岳がきれいに見える。いつも冬なので、雪の光景が多いので、田んぼが青々しているが珍しかった。法座の前にF家と、そのまわりのご紹Img_6239 介。国道に面して、対岸を高山本線が走っているが、一歩道をはいると、山や農地が拡がる。目の前の飛騨川(このあたりは、益田川?それとも宮川?)は、数年前の台風で氾濫し、大きな被害をもたらしたので、護岸工事が進み、少々風情はなくなったが、川面の風が心地よくし、朝晩はかなり涼しかった。この川が合流し、富山湾へ流れ込むと、神通川になる。

Img_6245 法話は予定どおりの内容で、3座。「仏に成る」という統一したテーマでのご法話になった。宿泊参詣は2名だけだったが、平日にもかかわらず初日は30名、2日目も、22、3名のお参りがあった。これまでご縁のなかった方が、3、4人とお参りがあったが、その中には、特に、前任先生である早川先生のご縁にした女性が、なんと50年ぶり!に、お参りされたという。そして、「50年ぶりに、ほんとうのご法話を聞かせていただい」と感激されて、無理だったはずの2日目も顔を出された。

 平日なのでお参り出来たという方もあったが、全般には高齢者も多かった。その中でも、熱心な新顔のお参りがあるのも、故人となられた善知識のたゆまぬご教化のおかげというしかない。すぐに目先の繁盛だけで一喜一憂してしまうが、こうして、一度、心に染みついた教えは、50年の時をへても、ご縁によってまた芽を出していくのである。それもまた、過去世で多くの善知識や如来に出会い、尊いご法縁を結んでもらってきたのおかげなのである。それが宿縁となり、いまの法縁へとつながっているのである。ほんとうに、いま一座のご法縁は、けっして当たり前ではなく、稀で、尊いものなのであるが、しかしながら、この有限の目先の知恵しかない、この泥凡夫の私にはそれがわからない。だから、如来さまの尊い命が捨てあることも知らず、自分の都合で文句を言い、駄々をこねていくのである。

 でも、どれだけ、愚痴ろれようが、ひねくれようが、居眠りをしようが、悪態をつき計らおうが、阿弥陀様は、この私がここまで来たことを、諸手を挙げて褒め讃え、喜んでくださっているのである。勿体ない。

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コメント

先生、ご法話ありがとうございました。

初めての高山、私なりに緊張していたのですが、故郷にも似た風景、温かく迎えてくださった高山の皆さんのおかげで、楽しい二日間でした。

私が、いま、ここで高山にお参りさせていただいていることが、本当に不思議で有り難く、嬉しかったです。

投稿: Anne | 2009年7月14日 (火) 07:40

Anneさん、短期間の間に、金沢、蒲郡、高山、そして今週は壮年の集いと、毎週のように大忙しですね。壮年の集いもまたよろしく。
でも、こんな忙しくて、朝晩の正信偈「勤行表」に○印の時間あるのかな? 次回、チェックしますよ。これは、ちょっとブラックすぎますか。それにしても、朝晩、勤行しないものは救わないとは、ずいぶん、小さい阿弥陀様になってしまったもんです。

投稿: かりもん | 2009年7月14日 (火) 21:09

壮年の集い、こちらこそよろしくお願い致します。

「勤行表」持っていきますので・・・

投稿: Anne | 2009年7月15日 (水) 06:15

やっとブログ見つけました。嬉しいような怖いような気持ちです。また、読ませて頂きます。
高山でのご法話。あの大雨の後だったんで、道は大丈夫かな、少し心配でした。お参り出来てよかったです。
これからも宜しくお願いします。

投稿: ウロジリモ | 2009年7月15日 (水) 13:22

ウロジリモさん、ようこそ。
高山法座に、ご夫婦でお参りされていた方ですよね。
そうすると、Anneさんに「ブログ読んでますか?」と聞かれていたのじゃないかなー。
ここは、ちょうどまる3年立ちました。
数日前に書いた「宿善の機は捨ても」は、心境に合うかもしれませんね。ご法関係の記事は、カテゴリーの「法味・随想」「聞法・法座」をご覧ください。

投稿: かりもん | 2009年7月15日 (水) 23:39

はーい、全て正解です!例の夫婦です。この歳まで生かされながら恥ずかしいばかりです。
私のバカな頭で一生懸命作り出そう、握ろうとしている自分。今回、こんなにも損得でしか判断できない者なんだなと改めてしらされました。 ましてや佛さまのお気持ちまでも自分の損得の基準で評価している有り様です。只今生き物を頂く毎日だな、凡智のまま地獄へ行くんだな--と。
余命少ない、今日明日は無いのですよね。


投稿: ウロジリモ | 2009年7月16日 (木) 10:36

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