熊本・蓮光寺へ(2)仏青編
ご住職のご法話。ぼくがまだ子供の頃に、ご法話をいただいた以来だから、何十年ぶりにか拝聴する。
ああ、この方は、しっかりと昔の骨太の華光でご聴聞されてきたのだなということが窺えるお話である。
かなり気合いを入れて考えておられたようで、あれこれお話したいようだ。横川法語、羽栗先生の「本能心と教養心 」、「人生の目的」、そして久しぶりに、「金のなる木、仏のなる木」のご法話も窺う。昔の華光誌の誌上法話にもあり、しばし悟朗先生がご法話されていたので、いまも事務所にプリントが残っている。しかし、この20年、いや30年はされてとはいないだろう。これは、真宗大辞典にも掲載されている和歌山の先生の教案である。聞法旅行で、その先生のお寺を尋ねた時に、お孫さんにあたる今はなきA先生からも窺ったことが思い出された。
今回の説明は、「金のなる木」中心だったので、ぼくも、またの機会に、このお話をさせてもらいたい。
ある人が、その話しぶりや、目まぐるしく話題が変わっていく様子を、「新しかった!」と喜んでいた。ある意味で新鮮なご法話だったし、改めて温故知新で有り難かったです。
2日目の午前は、ぼくが法話。
なるべく平易な話を心がけて、「タネの話」を聞いてもらった。一般の方でも、当たり前と粗末にしていることが、実は「有り難い」ことで、さまざまな尊いご「縁」がないと、タネ(因)は花開かない。聞法が進むと、十重二十重のご因縁が感じられるようになり、そこだけでも、十分に喜べる身にさせてもらえる。ほんとうに、私が、ここにいるという事実だけでも、尊いことなのである。それはいくら喜んでも喜ぶたりないほどだ。でも、その喜びだけに留まっているならば、ただご縁を喜ぶだけの、縁他力なのだ。
そこを一歩出ねば、意味はない。
実は、わたしの自身、つまりわたしのもっている「タネ」(因)を聴かせてもちわねばならない。そのタネが、どんな花を咲かすのか。持ち物をみれば、行き先が分かるように、タネの中身を聴かせていただけば、わたしの行き先、後生がハッキリとしれている。実は、縁のところではなく、その私の物柄(タネ)のところで聴かせていただくしかないのだが、往々にして、「縁」のところだけで、きれい事の法悦でお念仏しているのが、大方なのである。
ここのところは、懇ろにお示しいただき、ご聴聞させていただきたいところだ。
ところで、参詣者は、ほぼ半数が、初めてみるお顔だった。S子ちゃんの友人に、K子ちゃんが、会社の同僚や友人の親子などが加わったのだ。その方だけでも、8名ぐらいおられた。いくら自宅が寺院で誘いやすいとはいっても、これまで、ご聴聞されたことのない方にお勧めする姿勢は、みんなも見習わねばならない。日頃の信頼の証だといってもいいだろうが、ともすれば、後先を考え、はからい、躊躇し、諦めるのが大方であろうに、その姿勢には脱帽した。
それに今朝は、鹿児島からも、高齢者の方が3名加わった。これにも深いおいわれがある。実は、東京同人のご子息が、お念仏に出会われて、なんとかご両親に聞いてもらいたいの一心で、ご法座をお勧めしておられる。少し前にもご法座のご縁が整いかけたが、その時は、残念ながら体調を崩されて実現しなかった。満を持してのご法座だ。わざわざ会社を休まれ、年老いて両親の手を引いて熊本までこれらた。もうこれだけでも、尊いのに、ご両親に「仏法聞いてください。ご縁の喜びで留まらないでください」と、たのまれる姿が、また有り難かった。
南無阿弥陀仏は、親が子を呼ぶ名乗りであるが、今生では、子が親に「聞いてください」と頭をさげることもあるんだなー。それに素直に応えられて、お参りくだされた親御さんも有り難いではないか。まだ聞法の緒で、廃立の世界には少し遠いか、鹿児島の強信なおばあちゃんとも、旧知のような法友になられた。善き友をえることこそが仏道のほぼすべてなのだと、釈尊はおっしゃったが、善き友、善き子に囲まれて、必ずや真心徹到の日が来ることであろう。
それに刺激されたのか、K子ちゃんの母親へのお勧めも尊かった。それに子供大会の名物だった、K子節も久しぶりに堪能できた。彼女のための熊本仏青だったといってもいい。そして、「わたしが出て行かないので、仏様の方からお出かけくださって、お念仏に合わせてもらいました」と、ご住職が涙ぐまれた姿も、尊かったなー。
ここにも、親と子の尊さがあった。
蓮光寺前で、ご一家と一枚。残念なから、K子ちゃんが不在。お寺を飾る「蓮光寺」の字は、悟朗先生の書だ。
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