マスク
今日、シトロン・サレというフランス風のカフェでランチをしていたら、隣の男性が急に断りの電話を始めた。「ほんとうは参加したかったのですが、いま倒れるわけにいきませんので、今夜の会合は欠席させてもらいます」。どうやら大阪での集まりだったらしい。そこまで心配する必要あるのかなーとも思うけれど、なんとなく不安なのは分からないでもない。
ブタインフルエンザが大阪でも発生したという日に、大阪の茨木市から日曜礼拝の参加者があった。電車の中はマスクだらけだったという彼女も、マスクをしていた。神戸-大阪-京都はJRや私鉄で緊密に結ばれている。実際、ぼくたち家族にしても、北米から帰国した人や神戸の人にも会っている。いまの時代、人の流れを完全に遮断するのは無理な話だ。
映画館に入っても、いつより客が少なめの気がする。それに、高齢の人にマスク姿が多いのと、みんなわりと離れて座っている。近くで咳でもされると、大丈夫とは分かっていも、ちょっと気持ち悪い。そういえは、永代経のあとから連れ合いも、事務所のTさんも、ブタではなく、風邪なのだろうが、コンコンとやっている。連れ合いは、いつもの風邪と違う症状で少し寝込んだ。たったいまも、食事を作りながら無神経(エチケットのないという意味)で、コンコンとおかしな咳をしている。この時期、へんな咳やくしゃみをしようものなら、すぐに「ブタか?」とからかわれる。「トリ」ならまだしも、よりによって「ブタ」ですか。「ブタ?」と聞かれて、表現で傷つく体型の人もきっといるな(大きなお世話や)ー。
もちろん、商売を企む人もいる。「緊急案内」として「新型インフルエンザの広報、音声情報案内」を勧めるFAXが届く。ちょっと前には、『感染列島』というつならなさそうなパニック映画のチラシと共に、危機管理の提案というセールスがあった。マスクや簡易トイレ、避難用テントなどの売り込みだ。でも、全体からみると、経済効果はかなりのマイナスになるだろう。
ぼくは、いまのところマスクは不着用。でも、カバンの中には、その時の見本用のマスクをしのばせて、映画館に通っている。きっと、電車に乗るときは、着用するだろう。これだけ騒がれると不安な気は確かにするからだ。
でも、一方で、その過剰な反応ぶりが異常な気がしてならないのだ。誰かが、不安を煽っているということはないと思いたいが、抗菌や除菌だらけの超清潔大国のぼくたちのこと。これで、もし死亡者でも出たら、間違いなく責任者は追求され、風聞被害などのパニック状態にもなりかねない勢いだものなー。ブタより、そのほうが怖いなー。
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コメント
ほんまに世の中マスクだらけで、奇妙で滑稽な様子です。そういう私も職場からマスク着用を命じられ、つけてますが。その辺のこどもなど、マスクが大きすぎて、だらんと垂れ下がっているし、私などマスクしたままお茶をのみかけました。
マスコミがいきり立っているのもなんだかなぁと思います。
投稿: さち | 2009年5月20日 (水) 00:20
ヤフオクで、ウィルス予防マスクが1万円超えで落札されていました。こういう、泥棒商売みたいな事をする人もいるんだね・・・( ̄Д ̄;;
投稿: ねこ丸 | 2009年5月20日 (水) 02:11
例の悪代官みたいな顔した人が、テレビのCMスポットで、「タミフルの備蓄は、3700万人分」「早期に対応したら恐ろしいものじゃない」そして、「冷静な対応を」と訴えていた。
何をいまさらという感じやなー。
それにしても、この国の「右になられ」の体質は怖いです。いまや、集会は自主的に中止するのが当たり前、人込みに出かけるなんて非国民という感じしますものね。
もし、そこで発症者がでたら、「誰が責任とるのか。ウィルスをまき散らして」と、パッシングの嵐になることを恐れているわけでしょう。な
なんか、嫌な世の中になってきましたね。
投稿: かりもん | 2009年5月20日 (水) 23:35
今日の朝日新聞(大阪本社版)文化面の神里達博氏の投稿「(マスク着用と世間の目) 真の『冷静な対応』とは」は、参考になり面白いです。
投稿: 縄文 | 2009年5月23日 (土) 12:07