広島支部法座、現世利益の巻
GWというのに肌寒い。特に、今夜の帰路はコートがほしいぐらいだ。北国では、時ならぬ大雪になった模様。
永代経前の最後のご法座。広島へ。例の広島駅前の新球場は、阪神戦の試合直前。人々が次々歩いていて、駅構内でも、ずっと案内が繰り返しされていた。
今月の広島は市内は市内だが、少し場所が離れている。JRで15分ほどいった五日市というところでのH家での家庭法座。庭がきれいに手入れされて、春の花が満開だ。今日は、常連さんの欠席は多かったが、それでも、インターネットからの新顔があったり、十数年ぶりにお会いできた方があったりで、新鮮な集いになった。
二種深信についてかなり詳しく話した。機の深信の29文字、法の深信の29文字を、字句に応じ、またそれぞれの味わいも交えてお取り次ぎさせてもらった。もちろん、勉強ではない。信心の構造としてこれを覚えても、また分かっただけでは空しいだけだ。この心境に、ピッタリとならせてもらえるのが、他力回向の信心の不思議で、尊いところ。いわば、他力回向の信心を開いた領解告白といってもいい。だから、ここのところはしっかりとお聞かせに預かりたいものだ。
ひとつ味わったことは次ぎに触れるとして、法座が終わってから、Hさんの手料理が楽しみだ。おいしいご馳走と、あれやこれの話題が出て楽しかった。
帰路には、数名の同行さんから、広島の日本酒やらお菓子をいただく。ベテラン主婦が多いので皆さんよく気を使ってくださる。
Hさんからは、「先生には、せいぜいお金持ちになってもらわない」と、ずっしり重いお土産がいただく。
袋をあけると羊羹だ。でも、ちょっとだけ形が違う。どっしりと(だいたい羊羹は重いが)重みは、なんと金塊の形をしているからだ。残念ながらほんものの金塊とは、一度たりともご縁がない。ところで、「金1㎏と、綿1㎏では、どちらが重いですか」というクイズを、子ども時代によくきいたものだ。そう、どうせなら、羊羹500グラムより金塊500グラムのほうが、身になったのだか…。
いえいえ、この羊羹は、そんじょそこらのものじゃないんです。広島にある「コイン通り」(造幣局がありコインを鋳造しているそうな)にできた、「金持ち稲荷神社」の名物で、その名も「金持ち羊羹」というのだ。もっとも、このお稲荷さんは、京都の伏見稲荷大社のみたまもを授かっている。それなら、ぼくのすむあたりの町内は本家のお旅所の氏子にあたる。こちらが本家なのだが、悲しいことにお金とはあまり縁がない。といって、おかげさまで貧乏のどん底で首が回らんほどではないだが、きっと精進潔斎、信心が足りないからだろう。それなら、せめてこの羊羹にあやかって、金持ちになってくださいという、Hさんの温かいご配慮である。
なんといっても、金持ち稲荷の「招福・金運」祈願済のありがたい代物だ。
しかも、「全日本金持ち学会」の推薦も受けている。
なんと、食べ終わると、金塊型の「開運貯金箱」になるという。
さて、お味のほうも保証済みとのことだが、食べ終わったら、貯金箱をどこに飾りましょうか。金持ち羊羹より、「安心羊羹」の「獲信貯金箱」として財施してもらったら、黄金がたまるかもしれんなー。えー、すでに宿善になると唆されて、華光についた時には、一文なしになっているって…。現実はきびしいなー。
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