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温かで、やわらかな気分

 華光誌の仕事が終わって、データを印刷所に渡した。あとは、完成を待つだけだ。華光誌が終わると、一息つく。発送作業は、4月3日の予定している。

 法蔵館から刊行される『念仏の雄叫び』も、すでにぼくの手元を離れている。華光誌と同じ印刷所が引き受けていることが、わかった。以前の版に、新しい章を加えて、増補新刊という形で刊行するのだが、こちらも、4月上旬が発行予定。増頁になるが、なんと価格は据え置くことになった。ただし、消費税分が上乗せされるので、1,260円が定価になる。表紙は、以前のイメージを踏襲するが少しだけ変わる。お楽しみに、そしてぜひとも「よろしく」です。

 年度末で、なにかとバタバタしている。法座や出版以外にも、華光会館の維持や管理の仕事もいろいろあるからだ。ただし、10月が決算期なので、その点ではまだましだ。

 夕方は、真宗カウンセリング研究会へ。こちらも、4月からのプログラム(パンフレット)が完成してきた。巻頭言を書いた「会報」と合わせて、月例会の前に発送作業を行なうことにした。一式、重たい荷物をもって大学に急ぐ。休み期間中なので、構内は静か。鍵を取りにいくも、春休みでいつもの入口が閉まっていて、あっちこっち走る。なんとか、ぎりぎり約束の時間に間に合ったのだが、誰も来ていない。あんなに急いだのになーと思いつつ、一人で作業を始めた。その内、代表のM先生もかけつけ、助っ人を名乗り出てくれた会員さんも(ありがとう)加わって、3名になると作業も一気にはかどった。

 今年度の最終回。一年かけて読んだ論文(『対人関係・ガイダンスの核心』)を、頭から通読して、まとめにするとにした。

 私とあなたとの「出会いの質」こそが、援助的な人間関係なのかで、テクニック・技術や知識、専門的訓練にましても、いちばん重要なのだという言葉が、今日は届いてきた気がした。出会いの質か…。

 そして、よく感じることなのだが、ロジャーズの論文にしても、また西光先生の文章にしてもそうなのだが、いま流行りのマニュアルやHou to物、テクニックやスキルの開発といったお役立ちブックにはない、深みを感じずにはおれない。といって、決して難解な表現や特別なことが述べられているわけではない。むしろ、表現も、内容もわかりやすい(もっとも実行は堅いが)もので、サラッっといきそうになるが、しかしその態度の背後にある人間尊重の深い理念や、自己への内省力、そして人間性の暖かさ、さらにそこひとつを伝えたいという熱情のようなものが、言葉を超えた文体や行間から滲み出てくる気がするからだ。読んでいて、ジッーンとしたり、ワクワクうれしくなってしてくる。しかも、それを同じ志の皆さんと輪読することで、新たに気付かせてもらうことも多い。当然、ぼく自身も、その温かさに包まれて、晴れやかな高揚感で帰路につかせてもらうのである。

 これもまた、この場の持つ力のおかげだと、感謝している。

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» 真カ研 月例会 3月 [真宗 と カウンセリング ]
木曜日は3月の月例会。 今年度最後の輪読会で、一年かけてきたロジャース著「対人関係:ガイダンスの核心」を通し読みする予定…でしたが、途中から各自の感想などに入って、後半はパス。 もっとも、一度は輪読しているところですから、中途半端な感じではありません。 むしろ、後半のロジャース氏の「仮説」を固めるための微にいり細にいりの配慮や丁寧なところを知った上で、もう一度大事な「三つの条件」をなぞることで、私の中の深みが増した気がします。 頭ではスウッと入ってきているこの「三つの条件」ではありますが、じゃあ実行... [続きを読む]

受信: 2009年3月21日 (土) 23:26

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