権化の仁
先日の東京法座で、釈尊教団についての概要をお話した。案外、長年真宗のご聴聞し、教学も修めている人でも、釈尊在世時の原始教団についての外観を、ほとんどご存じない。霊鷲山の実物の写真を初めて見
たという人も多く、「感激しました」と言われた方もあった。ビンビサーラの牢獄跡に至っては、「アニメでしか観たことがなかったので、架空の物語だと思っていました」と、ひどく驚いておられる。そして、喜んでスライドを見て下さった。ちょっと予想していなかった反応に、むしろこちらが驚いたほどだ。ビンビサーラも、アジャ
セ王も、ダイバダッタも(経典の評価とは異なる点もかあるが)、歴史上の実在した人物なのである。それで、教義以外のところで、釈尊成道の後、どのように伝道布教をされて
いったのか。どのような経緯で仏弟子が増加し、教団が拡大していったか。またどんな日常生活、修行生活を送っておられたのかなどにも触れた。
それを、親鸞聖人は、苦悩する一切の煩悩具足の悪衆生を救わんがために、仏様と菩薩方が大芝居をうって、弥陀の本願で救われる正客は誰なのかを、目にめをみせてご覧くだされりのだと、味わっておられる。権化(ごんけ)の仁(にん)なんですね。しかも、親鸞さま自身は、自分こそが父殺しのアジャセそのもの、まさに五逆罪を
つくり、法を謗り、仏道に背く、絶対に救われるはずのない悪人だ、宣言されているんです。信巻に引かれた、「涅槃経」のアジャセの廻心に ついての現代語訳も拝読。こちらも、意外な反応がありました。
いや今夜は、ほんとうは、「律」(戒律)、五 戒を話題にするつもりだったのに思わぬ方向が違ってきました。なんかモタモタで、イライラです。霊鷲山のことに触れるにしても、あまりに中途半端だ。まあ、今日はここまでにしておきます。
写真は上から、1)、2)=霊鷲山第三峯の香堂跡。
3)=ビンビサーラの道。5時起きしてこの道を登る。
4)=きれいだった霊鷲山からの朝日。
5)、6)=王舎城の牢獄跡。背景の山が霊鷲山。
7)=牢獄跡の物乞いの少女
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