吉祥果
ひさしぶりに、石榴(ザクロ)を食べた。珍しいので、子供が欲しがったのだが、1個400円もしたが、なかなか見事なものだ。あまり食べることはないので、欲しがったわりに、中を見せると、「わー、キショ~」と、逆に気持ち悪がっている。それでも、食べだすと、二人とも喜んでいた。
ザクロといえば、お約束だが、鬼子母神の逸話を思い出す。元は鬼神・般闍迦(はんじゃか)の妻で、500人もの子の母でありながら、毎日1人ずつ、他人の子を捕えては食べるという、極悪非道の鬼神だった。それが、釈尊によって、彼女が最も愛していた末子を隠され、たとえ何百人いようとも、たったひとりの子供の行方不明のために、狂ったようになり歎き苦しむ。ついに、子を失う母親の苦しみを知らされ、懺悔して、仏法に帰依したという。その後、仏法を守護し、安産や子供の守る善神として、広く信仰されるようになった。そのとき、子供が食べたくなったら、その代わりに、石榴の実を食べることを教えられたのだそうだが、吉祥果ともいわれ、もともと実に種が多いことから、多産や豊穣の象徴でもあるそうだ。
華光誌の表紙の写真(この写真はちょっと拝借したもの)にしたこともあるが、ジャワ島のチャ ンディ・ムンドゥという仏教遺跡で、鬼子母神の見事なリリーフを見たことがある。なんとも、豊潤で、温かな母親像である。そこでは、父親としての毘沙門天と対称的に奉られていたが、いまや、仏教のカケラもないこの地で、なんとも懐かしい不思議な気がしたものだ。
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コメント
「ざくろ」を400円で買うなんて・・・
売ってる事に驚きました。
ここらじゃその辺になってるのに・・・。
でもこの頃はあんまし見なくなったなぁ~。
うちの庭では今「柿」が色付き始めましたよ。
投稿: 蓮華 | 2008年10月12日 (日) 06:35