『芸術都市 パリの100年展』
午前中、河原町六条のひとまち館で、自力整体のレッスンを受けてから、岡崎の京都市美術館に足を延ばした。急に肌寒くなったけれど(たぶんこれが平年並でしょう)、自転車を飛ばすのには快適な季節。遠いかなーとも思ったが、拍子抜けするほど近い。帰りは、25分ほどで自宅に戻ってきた。あらためて中心部は、コンパクトな街ですね。途中、建仁寺や祇園や白川、そ して知恩院などを通る。いつもは車なので、かなり新鮮。路地では、ほんものの(なりきりではない)舞子さんも歩いていた。
久しぶりの美術館。秋の日差しに、東山もの山並みもきれいだった。『芸術都市 パリの100年展』。日仏交流150年と、京都とパリの姉妹都市50周年の記念事業だ。なぜか、京都仏教会が後援しているので、招待券をいただいた。
有名な大作は少ない。ただ、芸術の都パリ が、産業革命を経て第二次大戦直前の、鮮やかに花開いた1830年から1930年に間の絵画(たとえばルノワールやセザンヌ=といっても、彼らの作品はほんの数点だけ)、彫刻(ロダンなど)、そして写真を中心に、パリの香りがする作品を集めていた。ちょうど、パリ万博でエッフェル塔が建ち、今日、パリを代表する歴史的建造物が建てられた時代だ。特に、産業革命以降、さまざな科学発展が生活に応用され、近代的な都市が生まれ、メディアも発達したことが、人々の生活を変え、同時に精神や芸術にも、深く影響を与えることになったのだという。
ちょっと心を動かされたのは、ユトリロの有名な引品のひとつ、「コタン小路」。別になっということのない殺風景な路地風景なのに、不思議に目を引きました。そのあと、彼の自由奔放に生きた母親の作品。彼女は、18歳で父親不詳のユトリロを生み、何度も結婚をしたが、時に息子の親友と懇ろになって同棲を始めて、息子が精神不安定にあってアルコールに溺れた時に、母親のそれではなく、画家の目で焦燥した彼の肖像画を描いているのにも、こころ引かれたなー。エピソードもすごいね。
もうひとつ、小作品だったけれど、藤田嗣治の少女を描いた肖像が、なんとも不思議な魅力を発していた。
向いの国立近代美術館では、『生活と芸術~アーツ&クラフッ展』をやっていた。これは次回の機会に行けたらいいけど…。
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コメント
おはようございます。京の晩秋タイトル「小路」と映画のワンシーンをイメージするように読ませて頂きました。絵画、音楽には何の造詣もない私です。ただ、印象派絵画は学生時代に京都で出会い、社会人になっても機会あれば覗きに行ってます。「コタンの小路」素敵ですね。久しく会館に行っていなかった時の10月末から11月かかりは、百万遍知恩寺で開催されている京都古書研究会の古本市(嫁さん、娘と)に行ってました。百万遍周辺の小路もまた趣きありますね。それぞれの秋ではありますが、かりもん師のブログから“ほっ”とした気持ちをいただきました。ありがとうございます。では、1日からはじまる華光大会よろしくお願いします。出たり入ったりですがお参りさせていただきます。よろしくお願いします。
投稿: 稜 | 2008年10月30日 (木) 10:16
稜さんも、長らく京都住まいでしたからね。学生時代に、下宿に遊びに行かせてももらったことろが懐かしいです。あのあたりも、京都の風情ありました。そうだ!下宿で、この歌を聞かせてもらったことを思いだしました。 懐かしくて、ネットで検索。こんな歌詞だったんですね。ちょっと薄ら覚えでした。高石ともやですね。かなり、メランコリックになります。
「1、下駄の音 路地裏通り 雨上がりの屋根
窓越しの手まり唄 おさげ髪の思い出
2、街の角 喫茶店 古い美術館
山かげの細い道 初恋の涙
3、夕焼け雲、五重の塔、石畳の鳩
プラタナスの道で、君をまちながら
4、大学通り、流れる川、走る路面電車
背の低い山を見て、君と僕の明日
この街が好きさ、君がいるから
この街が好きさ、君の微笑みあるから」
投稿: かりもん | 2008年10月30日 (木) 23:16
久し振りに訪問させていただきました。
いかに無碍の一道にでておられても 鳥居の写真はまずいでしょ。障りにしなさすぎですよ。
きれいなものはきれいなものとして受け入れられる素直な心には共感します。
先生のホームページによるようになってから昔見た映画の復刻版DVDなど買ってみるようになりました。心の旅路 など。
これからも楽しみにしています。
投稿: 和顔愛語 | 2008年11月 1日 (土) 23:24