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2008年9月16日 (火)

聞法旅行(2)因幡の源左同行の巻

 聞法旅行の初日。あいにくの雨。8時50分に華光会館に観光バス。前日華光会館泊の同人と共に、集合場所の京都駅へ。いきなり福岡の參加者が、新幹線に乗り遅れて現地で合流となったり、ちょっとドキッとすることもあって、少々波瀾含みでスタート。それでも、茨城、東京、千葉、神奈川の関東方面に、高山、愛知、福井、奈良、京都、日高、大阪、和歌山、そして広島、高知の同人が集った。名神高速から、中国道に入ったところで、17㎞の渋滞に巻き込まれる。さすがに連休初日で、車は混んでいる。昼食会場まで60分以上の遅れ。昼食は、柳田國男の生家と顕正記念館の会場で。ここで合流することになった同人を待つ間、生家などを散策する。あとは一路、鳥取(因幡)の青谷の源左同行の願正寺へ。車中、久しぶりに十八番の手遊びゲームを次々と披露、また源左同行讃仰する前住職のビデオ鑑賞して、事前勉強をする。予定より30分遅れの16時30分に、やっと願正寺に到着。

 鄙びた田舎は、因州和紙の産地だか、源左同行がいなければ、絶対に観光客が訪れることはない。生家や柿の木を見て、本堂で、ご住職のご説明を聞くことになる。いきなりご住職から、「華光会さんですか。増井先生もお出でですか」と言われてびっくり。3度目の訪問で、覚えて下さっていたようだ。実は、昔、源左同行の縁戚にあたるこの村の出身が、華光同人にもおられた。源左同行の像は、羽栗行道先生が発起して造られたものだ。

 丁寧なご説明(ご法話)をいただく。柳 宗悦・衣笠一省編「妙好人因幡の源左同行」に詳しいが、これは、彼の獲信体験から始まっている。有名なエピソードだが、18歳の時、昼間で一緒に仕事をしていた父親が、ちょっと気分が悪くなって家に戻って寢ていたが、その夜には亡くなってしまう(コレラ)。死ぬ間際に、「おらが死んだら親様をたのめ」と遺言する。「死ぬということはどうゆうことか」「親さまたのめとはどうたのむか」の2つが苦になって、仕事が手につかず、思案しづけ、19歳の春に、とうとうお寺参りを始める。それから、手次ぎの寺だけでなく、京都の本山へも再々上って真剣に法を求めるようになるが、むつかしく、「しかられたり、どまかされた」したり、お寺のご隠居は、「源左、もう聞こえたなー、有り難いなー」といつも言われるが、どうしても聞こえず、ほとほと困り果てる。そんなことが、何十年もの続く。結局、自力の計らいで自分でむつかしくしているのだ。それが、ある時、野良仕事の最中のこと。デン(牛)に、草刈りした草を、一把、二把と負わせ、自分も一把なりと負わとしたが、重たくて、それをデンに負わせようと、荷をつけたら、すとんと楽になって、「ふいっと、これが他力か」と分からせてもらわれるのである。うれしくたまらないが、しばらくすると疑問が湧いて来る。その時「われは何をくよくるするのか。仏にしてやっとるじゃないか」という如来さまの声がして、ハッと思ったというのである。まさに、求めて、求めて、求めて、そして捨てるというより、日常の何気ない最中に、ハッと捨てさせられた時に、同時に転ぜられる体験を語ってられるのである。ともすれば、後の行実や人間的な善行だけが、取り上げられるが、「難しい、難しい」という自力が、他力に転じていく一念が尊い。そして、「珍しいことだ、珍しいことだ、凡夫が仏になるということは。こんな珍しいことが外にあるものか。ようこそ、ようこそ、南無阿弥陀仏」と喜んでおられる。感情的な法悦でも、行実でもない。泥凡夫が、仏にならせていただく一点を喜んでおられる。これは、どの妙好人にも共通するところで、同時に、人の姿を尊ぶのではなく、私ものその身になったのかどうかが、一番の肝要なのである。

 ともかく、源左さんが、いまにもフイッと出てきそうな土地柄だった。

 青谷をあとに、泊まりは三朝温泉。ここは、なかなか豪華でよかった。時間が押して、法話と分級座談会が1時間しかとれなかったのは残念だったが、ご馳走をいただき、ゆったりと露天風呂に入浴出来て◎。懐かしい米子の同人もお訪ねくださり、短時間でも再会を果たせてうれしかったです。(写真編つづく)

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