新幹線にて。禁煙席とケイタイと
東京法座のあと、最寄りの地下鉄駅ビルの居酒屋で、有志による恒例の懇親会。初参加も交えて楽しい一時を過ごした。早めに失礼して東京駅へ向かったが、新幹線前コンコースは、お盆中かと思うほどのたいへな混雑ぶり。あちらこちで、地ベタにも人が座っている。いくら、夏休み中の日曜日とはいえ、様子がおかしいと思ったら、熱海付近の大雨で、新幹線が大幅な遅れて、運休も出ている。梅雨どきや雪での遅延はしばしばあるので覚悟はしているが、東京は小雨だったので、ダイヤが乱れているとは思ってもみなかった。20時の新幹線の予定だったが、まだ17時台の列車がホームに停まっている。とにかく、座れないのも覚悟して、早く動きそうな列車の自由席に飛び乗った。まあ混雑は思ったほどではなく、列車自体も、定刻より2時間30分は遅れていたが、ぼくは予定より20分程度の遅れで済んだ。
その列車は全席禁煙のN700系だった。春から、このタイプの車両に乗ることが、ずいぶん増えた。ほんの昔は、分煙なんて発想もなかったのに、だんだん禁煙派(嫌煙派?)の声が強くなって、徐々に禁煙車両が増えていき、いまでは、喫煙席の方が少数となり、)全車両禁煙の列車の割合も増えている。公共の場での喫煙への目も一層厳しくなっているので、近いうちにすべての新幹線が禁煙になる日がくるかもしれない。小さなときから、ノドが弱い上に、どうも目が痛くなるので、たばこの烟が苦手なぼくには有り難いことだが、大幅なタバコの増税の意見が出るなど、愛煙家は迷惑な少数派になって、ますます肩身が狭くなっているようだ。
車中で、タバコを吸う人は見かけなくなったかわりに、このごろは車中でケイタイをしている人はやたらみかける。といっても、通話する人は少ない。今回のように列車が遅れた時などは、たいへん便利だ。どの人もこの人も、席に着いたら、まずメールのチェックをしている。京都駅から、近鉄に乗っても事情は同じ。前席に座って並んでいた6名全員、ケイタイを出して操作中。その行動に妙に感心して、なにげなく車中を見回すと、8割以上の人が、そうしている。どうやら、電車に座ったら、みんなメールチェックが、習慣になっているようだ。「いまから帰る」なんてメールを送ったりするのだろうか。ケイタイを持たないので、ぼくはこれは完全に少数派。それで、5分程度の列車でも、本を読むことが多い。でも、在来線で読書をする人は、かなり減っている印象もある。ケイタイがあれば、メールだけでなく、ネットもできれば、スケジュール管理も、小説もTVも見れるし、写真も見れるのだから、確かに便利すぎる。
以前、2泊3日の法座で、「ケイタイを自宅に忘れて不安でしかたがない」という青年がいたが、いまやケイタイは身体の一部になっているようだ。これだけ依存的になると、きっと棺桶にも入れてもらわないと、不安で死に切れないかもしれない。もしかすると、もうすでにそうなっているのかもなー。だって、一緒に燃やしてしまわないと、あとでまずいことが発覚する人も多いんじゃないかな。皆さんは大丈夫? まあ、死んだ時に、誰と交信できるのかは知りませんがね。
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