花祭り
このところ日曜礼拝は、子供たちの減少や、大人も顔ぶれが固定するなどちょっと停滞ぎみだけれど、今日は、総勢35名以上の参加で、なかなか賑やかだった。
久しぶりに、日曜礼拝でご法話を担当した。
何不自由もない幸せなお釈迦さまが、なぜ、城も、地位も、名誉も、お金も、家族も(みんなが欲しくて欲しくてたまらい幸せ)をすべて捨てて、出家されたのか。四門出遊の、生老病死の苦と現実を、具体的に考えてもらいました。とくに、「老い」のところです。みんな、人ごとでは、他人のことではわかっているつもりです。でも、三人称なんですね。もしくは、家族の老いなら二人称。でも、自分のこととなったらどうか。
4歳から、5歳、6歳、7歳と…、幼児や小学校の子供たちは、1歳ずつに順番に並んでもらって、あとは10代前半、後半、20代、30代、40代、50代、60代、70代(残念ながら、いつも80代の常連さんが欠席)と、横一列に並んでもらいました。いーや、ビックリしましたね。とくに身長の大小があるはずなのに、みごとに右肩上がりで大きくなっていく。それが、40代をピークに、今度は、下り坂に転じていくんです。「無常だ」とか、「老いるぞ」と口先で話すより、少しはからだで味わってもらえたでしょうね。しかも、過去の過ぎさった時代は振り返り、思い出せるが、先の世界は、未知の領域。30代の人から、50、60、70、80代の世界は、からだも、こころも想像がつかないと味わいが出てきました。同時に、みんな生まれたての赤ちゃんの時も、2、3歳のもの心をつく前の世界もあったわけですから、いまやそのなれの果てが、お互いなのでしょう。そして、そこまで、諄々と安全に進める保証はどこにもない。どこで、この長寿山が途切れてしまうか分からない、無常の身なんです。
それにしても、二女の保育園の4歳児が5名。かわいい。でも、お勤め(字が読めない)も法話も、なかなかジットしてられない。グズったり、歩きまわったり、仕方なんです。でもね。あれが、私の姿そのものじゃないですか。育てられて、教えられ、薫陶を受けたご恩で、黙ってご法話を聞くところまで育ててもらえた。しかし、実際は、ジッーと聞いてるフリはしていても、ほんとうに聞いているのか! カッコだけです。40代なっても、50代になっても、なーんにも、聞いてない、そして親に甘え、「わらかん、わからん」と駄々をこねている姿は、まるまる4歳児そのものです。むしろ上等だと思ってる分、質が悪いかもナー。そんな訳のわからんものに、目先の老いも、死ぬこともわからないものに、後生に一大事があることなど分かる智恵などないわけで、そんな無明そのものに向かって、「どうか聞いてくれ」と願い、頼んでくださっているわけですよ。人間どころか、一切の生きとし生きるすべてのいのちあるもの(衆生)を、必ず、仏にしてみせるという、とてつもない広大なお誓いを立ててくださったわけです。そんな弘いおこころが、限りある私に理解できるわけがない。だからこそ、こちらの迷いの気分や気持ちを追いかけるのではなく、その真実を真実としてお教えいただいた、そのお心に耳を傾けていく。お聞かに預かるだけで、すべての用事が済むように仕掛けられている。だからお聞かせに預かるひとつなんです。聞くだけ。もう兜を脱いで聞かせてもらいましょう。
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コメント
おはようございます。永代経以降のかりもん師ブログに凄いパワーを感じています。そして、色々学ばせていただいたり、私自身の不甲斐なさを知らされたり等々、いつもながら、ありがとうございます。昨日は旦那寺で「降誕会」をお勤めさせていただきました。華光同人の方も多数お参りして戴き、こどもと一緒に「十二礼(らいはいのうた)」をお勤め、お焼香をし、ご法話を聞き、「恩徳讃」をうたいました。子供たちとは、かりもん師の日高支部花まつりの時のゲームを真似て遊び、昼食(そうめん…世話役男の手作りとおにぎり)を戴きました。今回は、学校行事(4年生以上)もあり3年生以下のお子たちと少な目ではありました。しかし、学ぶこと多くありがたいひと時でした。ご住職の法話も子供の視点を大事に、ゆっくりやさしくことばを選びお話しされました。これは大人の方にとてもうよく伝わったご法話と思います。(座談がないのが残念)。幸い子供たちとはお食事をしながら、確認できたたので
良かったと思います。このお寺でのお育てが家庭でないのが少し残念です。生きたご法はやはり家庭での親(私)の姿から伝わっていくんだんなっと反省させられました。南無阿弥陀仏。今週は支部法座(G師)です。弟家族が来てくれそう。楽しみです。
投稿: 稜 | 2008年5月19日 (月) 10:12
稜さん、コメント、ブチ久しぶりの登場ですね。待ってました。
永代経、ほんとうにお世話になりました。最後のごあいさつ、とても有り難かったです。
そうですか。お寺での「降誕会」。ご苦労さまでした。いろいろと気苦労もあろうかと思いますが、地域のお寺さんでも、子供会活動が行なわれていくことが、とてもうれしいですね。これからは、ますます小さな宗派根性なんか、意味なくなると思いますよ。これまでの関係を脱して、新しい時代の息吹が感じられます。
今週末は、お世話になりますが、よろしくお願いします。
投稿: かりもん | 2008年5月19日 (月) 20:47