権化の仁
広島支部法座。毎月、法座を開いてくださいます。
だいたい25名~30名ぐらいまでの人数でしょうか。それでも、先月も、今月も、華光同人以外でお参りくださる方が、4、5名はおられます。その方が、少しずつ定着しておられるようで、そこがうれしいですね。
ほんとうに久しぶりに、「王舎城の悲劇」のスライドをみました。ところが、開始直前にテープが切れてしまって、幻燈(懐かしいね)の弁士をすることになりました。これは、ちょっと予想外。練習せずに、ぶっつけだったのがちょっと残念。でも、時代がへても、親子の軋轢や葛藤、権力争い、そして肉親の情や甘えと、相反する敵対心との相剋は、いまもまったくかわらない。親子が、夫婦にもなったりしますが…。○○家の悲劇は、いまでも、どこのご家庭でもあるわけ。ただ、少々スケールが違うけどなー。
でも、そのおかげで、弥陀の本願にお救いが、どんな人たちに向けたものであるかが、初めて顕れてくる深い、深いご因縁があるわけです。だから、ここに登場する愚痴の女人も、五逆の悪人も、謗法罪の大罪人もほんとうの低下の凡夫ではなく、還相の菩薩様方が、われわれ泥凡夫の姿となり、弥陀の本願のお目当ての機が、この私であることをまざまざとお見せくださるための大芝居をうってくださったというわけです。
先月の「唯除のこころ」の流れから、アジャセ王の話題になりました。親鸞さまも、信巻の終わりを割いて、アジャセ王に、ご自分の姿を投影、同一視されています。どんな名医でも治療不可能な病気になぞられて、難治の三病として、1)誹謗正法、2)五逆、3)一闡提(いっせんだい・「世俗的な快楽を追求するのみで正法を信ぜず、さとりを求める心がなくああ、これや、わしのことやね〉浄土に往生することのできない衆生・断善根」、つまり、伊藤先生の『大悲の呼び聲』によるなら、「無始よりそなわる仏性は、いかりの炎でやきつくし」「骨の随までそみつける、罪悪熾盛の凡夫なり、救う手がかりどこにある 出離の縁はさらになし」の身ということですね。
そのアジャセ王と、殺害した父、ビンバシャラ王や、イダイケ夫人との関係や態度、そしてその言葉も、かなり響くものがあります。そして、自らの罪に畏れ、身体をかけて漸愧され、最後には、釈尊の月愛三昧によって、廻心されて、「無根の信」を得て、新しい永久のいのちに生まれ代わられる姿を味わいました。とても尊いお示しです。
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コメント
テープ修理できたのこと、ほっとしています
投稿: Tねこ | 2008年3月18日 (火) 08:17
どうもです。MLと違って、こちらは超シンブルやね。
昔から、華光会のカセットテープの修理は、よくやっていて、けっこう細かな作業なんですね。ネジを外して、テープがバラバラにならないように、A面とB面をつなぎまちがないようにします。あんまり手先が器用でないので、ちょっといらつくこともありますが。もう個人では、長くカセットなんか使っていませんしね。
この際、CDにうつしてもらいました。なかなかこれだけ聞いてもいいですよ。次ぎの機会で、少しだけ聞いてもらっていいですね。
投稿: かりもん | 2008年3月19日 (水) 16:49