『サディステック・ミカ・バンド』
『サディステック・ミカ・バンド』の、超限定、復活ライブのドキュメン映画を観た。いや、かっこいい! たった70分ほどだが、すごく元気になった。不思議なものだなー すぐに、3枚組のライブのCDと、新作のCDも買ってしまった。すぐ影響を受ける。悪いくせだ。
すごいことを、ポップに、どことなくキッチュに見せているところが、なんかよかった。怨念というのか、ジッとした湿気が、日本の風土である。ぼくは、そんな音楽も好きだがら、たまには、この楽しい、軽さがいい。
リーダーの加藤和彦、ドラムが高橋幸宏、ベースの小原礼、そしてギターの高中正義という、タレント揃いのオヤジ4名。最高級を求めるもの、最先端を行く人と、知る人ぞ知る人と、わが道を行くものという個性溢れる四人組。それぞれにお好きな方もおられるでしょう。そこに、ボーカリストとして、娘(もしかして孫)世代の木村カエラを迎えてのライブ。
新譜を聞きながら、連れ合いは、「いや、やっぱりミカじゃなくっちゃなー」と言っている。実は、ぼくも、カエラはあまり聞いたことはない。でも、それなりにいいなーと思った。かわいいものね。
加藤は、京都伏見の人で、仏師になるべく龍谷大学に入ったそうだ。この映画のスタッフは、製作(シネカノンの李鳳宇と加藤和彦)、監修(井筒和幸)と、映画『パッチギ』の世界である。表に出ていないが、フォークルやミカ・バンドの歌詞は、作詞家として松山猛が関わっている。パッチギの原案者にあたる松山は、東福寺界隈の人で、ぼくの高校の先輩だ。だから、パッチギの原風景が、よくわかる。どこかで、この近辺の風土が、影響していることになる。それだけでも、身近に感じた。
音楽にあわせて、インタビューが面白い。メンバーかそれぞれのメンバーのことを語り、音楽のことを語る。
加藤は言う。何かを創造することは、常に破壊することだ。それがロックだと。確かにね。安定調和に生きていると、安易に流れる。変化や破壊を畏れる。自分が変わっていくことが、けっこう怖かったりする。
また言う。これだけなんでもありの世の中で、他の人と違うことをしようとするオリジナリティーは、出そうとしても出せはしない。自分が信じることをありのままに表現することこそが、オリジナリティーなのだと。うーん、確かにね。そして、それには、その信念を支えるだけの経験や技術、精神力や音楽性などが裏打ちされての話なんだろうけどね。
どの世界、どの分野でも、一芸に秀でた一流の人の言葉は、なにか普遍的な事実を語っているように思うなー。
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コメント
ご無沙汰しております。東京の原武司でございます。先生のblogでCDや本のレビューを読ませていただきますと、先生の感想が私の感じるところと結構共通しているのを発見してうれしくなりました。『生物と無生物のあいだ』についても、先生が引用されたところを読んで、私も「仏説まことなり」と感嘆していたところです。サディスティックミカバンドのアルバムもすっごくいいですよね。カエラちゃんについてもテレビ神奈川のsakusakuというサブカル番組をやってたころから注目してまして、若いのにたいした子なんですよ。ただ、最近のアルバムは玄人すぎてちょっと……という感じです。デビューアルバムが初々しくて傑作ですよ。
投稿: はらほろひれはれ | 2008年1月27日 (日) 10:42
はらほれひれはれさん>
どうもです。そして、ありがとうございます。
最初、このお茶目なハンドルは誰なんやろうと思ったけれど、なるほどね。
以前、要望されていたM先生の論文も、法座のおりに持参します。お楽しみに。
投稿: かりもん | 2008年1月28日 (月) 00:50