« 自分を知らされる | トップページ | 智慧、慈悲が円満 »

国嶋療法と国嶋喜八郎博士

 輪読法座が終わり、1階に戻てくると、国嶋療法と、その創始者である国嶋喜八郎博士についての問い合わせがあった。質問者は、たいへん几帳面な、誠実そうなお方で、メールも、お電話も、とても鄭重なものだった。またご丁寧に経過のご報告までいただいた。

 だいたいの経緯はこうである。

 この方のご縁戚にあたる方が、NHKの「百歳バンザイ」という番組への出演が決まったが、その方の長寿の秘訣は、国嶋博士の「自然良能」にあるという。それで、もう少し詳しく国嶋療法のことが知りたいが、博士の消息などもまったく不明。京都に薬師山の国嶋病院が現存するものの、問い合わせてもまったく無関係だという。著書の出版社等は現存しない。なんとか、その方のご依頼に答えたい。それで、ネットで検索すると、華光会の記事にヒットし、お問い合わせをいただいたらしい。

 そうなのかと、ぼくも確かめてみた。「国嶋療法」で検索する。確かに、いちばんに華光会のHPがヒットする。次が、西光義敞先生を代表者に、仏教文化研究会紀要に掲載された、共同研究をした時の小生の論文のキーワードだった。そして、ぼくのこのプログと、後は、氏の古本がある程度だ。要は、どう転んでも、この点では、まず華光会に連絡するしかないわけである。(きっと皆さんも、思わず検索してしまうでしょうね。ちなみに、ネットでヒットする「自然良能会」はまったく別組織とのことだ)

 ご承知のとおり、華光会の始まりは、まず華光誌の創刊にあると考えていい。第1巻1号は、昭和16年11月15日に出されたザラ紙に印刷されたものである。戦時である。日米開戦までも1ヶ月足らずの緊迫したご時世。正確には、まだ「華光会」ではない。この経緯に関して、『廻心の体験』の序文にあるものが、華光会のHPで「華光の歴史」としてご覧いただける。

それは、昭和十三年ごろから三年間、伊藤師が関係していた、京都の国嶋病院での宗教部が発端であります。当時、国嶋病院は、不治とされていた結核に対して、『結核かくすれば、必ず全治する』の著者、国嶋博士によって、開発された自然良能法による治療を行い、世の注目を浴びていました。伊藤師は、その患者に対して、心身の安静のための宗教指導に当たっていたのです。ところが、はからずも、患者と付添い、ならびに医師などの病院関係者の間に、たちまち念仏の信火が燃えひろがったのであります。治病のための信仰であったものが、信仰のために生命をかける人たちに変わってきたのです。そこで、伊藤師は、病院より身を引くとともに、自宅療養者を含めて、求道者たちの信仰指導と、法味交流のための同朋通信を目的として、『華光』誌を発刊されたのです。」

というわけで、最初、ぼくが対応したが、この話題なら、伊藤先生が去ったあとに国嶋病院で、直接、指導を受けた父の方がいい。なんでも、戦後、国嶋氏が、参議院全国区に2度立候補(共に落選)したときも、「投票したよ」といっていた。これは知らなかった。でも、それより詳しい方がおられる。華光の最古参同人である豊岡のG女史(創刊号から唯一のお元気な方)だ。それで、Gさんを紹介すると、そこから、すぐ国嶋博士のご子息に連絡がついたそうだ。医者を継がれたご次男はすでに逝去されていたが、ご長男はご健在で、「自然良能社」を引き継がれ、いまも京都で活動されているそうだ。

 こうして、伝を辿っていくと、得たい情報にほんとうに行き当たるものだなーと、妙に感心した。ちなみに、このNHKの「百歳バンザイ」は、3月15日の13時50分~14時の間に放送される予定だそうだ。

 先日も、「『三戸独笑』ってどう読むんですか」という、ただ読みだけを尋ねる電話があった。これだけいろいろな情報が溢れるなかで、華光会のHPでしかわからないこともあるようだなー。 どれもこれも、かなりマニアックではありますが…。

|

« 自分を知らされる | トップページ | 智慧、慈悲が円満 »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

下記ご覧下さい。
http://www.burat.jp/members/blog/entry_disp.200609261619-1001139.200609261619-1001140.200809041558-5000063
その節は大変お世話になりました。久しぶりに「国嶋博士」をインターネットで検索いたしておりましたら当ホームページに行き当たりました。改めて心より御礼申し上げます。神戸・渡部進治「65歳」

投稿: 渡部進治 | 2008年9月 4日 (木) 17:16

 メールもいただき、ありがとうございます。また、ここにも、わざわざお知らせくださり、恐縮です。
同人の皆様にも告知して、放送を楽しみしてにしております。
 ありがとうございました。

投稿: かりもん | 2008年9月 5日 (金) 00:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 国嶋療法と国嶋喜八郎博士:

« 自分を知らされる | トップページ | 智慧、慈悲が円満 »