京都買います
京都市内初の都市高速道路となる阪神高速8号京都線-上鳥羽出入口~第2京阪道路・巨椋池インターチェンジ間が、今日午後に開通した。記念セレモニーもあったようだ。京都と、奈良や大阪を結ぶ新たなネットワークとなり、2年後には、新十条通(トンネル)が出来て、山科とも結ばれることになる。
いまは、名神高速道路の上を通り、十条油ノ小路を下がったところに出て来る。華光会館からは1分ほどだ。遠い将来、名神ともつながる計画もあるという。これで、名神や京都南ICが渋滞時には、多少、遠回りになっても、東からなら瀬田、西からならば大山崎から迂回すると、すぐ目の前が華光会館ということになる。
でも、問題はこれからだ。市内中心部への伸張計画である。なんでも、十条油ノ小路から地下に降りて市内へとつながる計画だそうだ。果たして、京都市内に都市高速が必要なのか。確かに、慢性的に渋滞があり、観光シーズンなんかはひどいものだ。
でも、前日のエントリーではないが、目先の利便性や生産性のみを追いかけるだけで、ほんとうにいいのか。高速道路は、縦横にネットワーク化してこそ、意味がある。そうすると、これからどんどん開発されていくことになる。莫大な工事費、環境問題、景観問題が、当然起こってくる。
お正月、NHKの衛星放送で、「怪奇大作戦」の一挙放映があった。1本だけ観た。亡くなった実相寺監督の作品、「京都買います」である。彼の代表作の一つとして、評価が高い。逝去のおり、京都みなみ会館でも、追悼映画特集があった。その予告は、ウルトラマンが、スペシューム光線を放ちながら「南無!」と叫ぶ(字幕だが)映像で、苦笑した。その際も、この作品があった。いまだに人気があって、熱狂的サイトが多い。コアなマニアなど、わざわざ25分ほどの作品だけで立ち上げられたものもあるほどだ。そんなの知らねえなーという方も、一度、検索して、その熱に触れてみてくださいなー。
昭和46年の京都。いまなら考えられない、とても贅沢な作品で、さまざなお寺でロケがなされている。この映像を観ても、明らかにいまとは違う。でも、今日の京都をしっかり示唆している。いや、もうハッキリとその芽生えがあったのだろう。子供の時もリアルで観ていた。だけど、音楽といい、アップ、アップのカメラワークといい、その湿った映像といい、(もしくは、その荒唐無稽さといいだ)、特撮ばかりが目につく近頃のテレビでは、お目に掛かれない作品だった。同時に、京都市民には耳の痛い話である。開発か、保全か。京都という世界的な歴史都市。140万の人口を抱えた都市としての役割もある。古くて新しい問題がここにもある。
未来のために、今からでも遅くないこともある。
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