歯医者
朝、長女を連れて、上桂(車で20分強)の歯医者まで行く。
とにかく、この歯科、かなり特徴がある。設備は古いは、先生も奥さんも、お客も、年配の人が中心で、いつも異空間の、濃厚な時間が流れている。ズラッと、4台の診察台に順番に客が並び、ガンガン演歌をかけて、診察室も、待合室も一体になって、世間の風潮や権力について、ボヤいたり、愚痴ったりしている。しかし、腕はいい。絶対に抜いたり、無駄な治療はしない、信頼できる医者だ。
学校検診でひっかかった子どもの歯も、「なんでも、かんでも出すんや。子どもの歯なのになー」と、ひとしきりいまの制度に一言あって、治療は、すぐに終了。次は、横で待っていたぼくの場合。幸い、虫歯も、腫れもなくて、ちょっとした噛み合わせが原因にあったようで、ちょっと削って、これも5分足らずで終了。
ちょっとだけのことなのに、原因が取り除かれると、楽になる。不思議だね。ほんの少し、ほんの少しのことなのに、こんなことでも気分が晴れる。
逆にいうと、ちょっとしたケガでも、病気でも、痛みがあると嫌なものでしょう。痛みを実感している時は、けっこう煩わされていますよ。ましてや、それが深刻になったらどうでしょうかね。にもかかわらず、死ぬとも、無常とも、思っていない。そして、遠いところにおいてうつつを抜かし、「別に怖くない」などとうそぶいている。
でも、実際は違うなー。毎日、毎日、この体、この心に、煩わされぱなし。執着のかたまり。ちょっとしたことでもおして知るべしだ。これが、命にかかわるとなったら、必死にならないわけがない。
こんなことからでも、わが身への執着、また無常を知らせる使者、徴候を聞くことはできますね。
さて、ちょっとこれから、京都みなみ会館のレイトショーに行ってきます。
『幽閉者 テロリスト』という、カルトな映画。監督は、パレスチナで、赤軍の活動をしていた足立正生。「革命? オレはどこにいるのだろう?」。ふん。
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