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『東京タワー』~オカンとボクと、時々、オトン~

 『東京タワー』~オカンとボクと、時々、オトン~

Tokyotowerokanbt3  先日の九州法座のあと小倉駅まで送ってもらった。途中、「リリー・フランキーの生れたところです」と教えてもった。子供たちの大好きな、「おでんくん」の生みの親だ。

 実は、ヒットしたドラマ(テレビあまり見ないので)も、ベストセラーの(泣ける!という)原作も読んでいない。あまり予備知識をもたないで見たいためである。
 映画の製作にかかわった人は、ぼくとまったく同じ世代だ。原作のリリー・フランキーが、63年。監督の松岡錠司が61年。脚本の松尾スズキが62年の生まれである。
九州の小倉から、筑豊(鞍手)、そして東京が舞台。

 悪人がひとりも出て来ない、やさしさ、温かさが画面に広がる映画だった。もっと泣かそうと思えば泣かせられるのだろうけれど、ギリギリのところで引き気味に撮られている。もっと引いて委ねてもらってもいいと思えたけど…。でも、男って、マザ・コンだが、ここまで、母と子の絆が強く、率直に表現できると美しいなー。子の成長だけを願う母の姿。でもそれも一面。妻や女としての一面、強くたくましく生きる姿。ぼくには、苦労し、生きがいに育てた放蕩息子が、一人前の仕事(初出版)をしてきた時に、母が、電話で「ありがとうございました」と、息子にお礼を述べるシーンに、ジーンと来てしまいました。ほんとうは逆なのにね。

 超自由人、自己中のオトンに、手作りの木製の船を造ってもらうシーンがある。まったく対称的な父をもったボクだが、実は同じ経験がある。もっと精巧な軍艦を造ってくれた。竹馬や、水鉄砲や輪ゴム銃などを、遊ぶものは手作りだったなー。思い出が蘇る。

 人の話なんだけれど、それぞれが、自分の母や親子関係を投影することができる。このあたりが、ヒットの要因かなー。やっぱり、母ってステキなんだね。でも、そのことを率直に表現するって難しいなー。

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