『ディパーテッド』
3月始めに、アカデミー関係の作品を続けて観た。
今年のアカデミー作品賞は、『ディパーテッド』。香港映画『インファナル・アフェア』のリメイクが、マーティン・スコセッシに待望のオスカーをもたらした。香港から、ボストンを舞台に、下層階級であるアイルランド系のマフィアと、警察組織をあげた死闘を描かいている。バイオレンスシーン以上に、敵対組織に潜入した男の二人の心理描写がドキドキもの。 マフィアに潜入した警察官(レオナルド・ディカプリオ)と、警察官となり組織を追求する立場になったマフィア(マット・デイモン)、ある種、表裏一体(共に本物の警察官には違いはない)の二人が、極限の精神状態の中で、対決していく。ジャック・ニコルソンがマフィアのボス役、潜入捜査を実態を知る警察上官がマーティン・シーンと、脇を名優が固める万全の体制。でも、正直、これが作品賞とは意外な感じ。大物マフィアのジャック・ニコルソンが、なぜか、ちんけな所場代の小銭を集めたりと、なにか小さな組織のチンピラ風なのが、不思議。すごく存在感あるのになー。それに、よくも悪くも、元ネタの比べて見てしまって、あらすじもだいたい知っているで、その点が難。『インファナル・アフェア』(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)は、3日間、映画館に通って、モーニングで3部作を一気に観たこともあるが、「Ⅰ」が断然、お薦め。最初、涅槃経か何かの「無間地獄」の経文が出てきたような記憶があるが…、とにかく、元ネタの方が面白い。(続く)
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