『王の男』
朝は、印刷所に初校を渡しをしたあと、午後から、京都シネマで一本みて、マノアマノ(細い路地にある雰囲気のいいお店)でお茶し、夕方から年賀交換の修正をするという、先週の『クリムト』と同じ、ルーティンで動きました。観た映画が韓国映画になったのと、お茶飲みながら読んだ本は違いましたが、やっぱり音楽の本を読んでいます。
『王の男』、かなり早い時期に、韓国在住の方から、たいへんこちらで大流行で、日本での公開が決まったと情報があり、楽しみにしていたけれど、けっこうよかったです。かなりかわいそうだったけれどね。今、(それとも以前?)、NHKで「チャングムの誓い」をやっている(やっていたかな? なにせ一度も見たことないので)、その一世代前の16世紀の暴君ヨンサングンと、最下層の二人(ひとりは美形の女形)の大衆芸人が、命懸けで宮廷芸人へと抜擢されながらも、宮廷の内紛と王の暴虐、そして王と二人との三角関係へとつながる悲劇。凶悪な暴君の苦悩、孤独、その涙に、こころ撃たれました。大衆芸人といっても、軽業・曲芸から、コメディータッチの寸劇、芝居、楽器と、なんでもこなすわけですが、定住しない-流人は、どの時代、どの国(洋の東西を問わず)でも、差別を受ける最下層の人達なわけです。名作、『さらばわが愛』の覇王と別姫へのオマージュというところもあって、劇中劇で、京劇風の覇王と別姫を真似ているシーンがあります。美形の女形が、かなりレスリー・チャンを意識しているのかもしれませんね。
ちょっぴり同じ韓国映画で、下層の身分から宮廷絵師に抜擢される『酔画仙』(チェ・ミンシクとアン・ソンギ)の匂いがしました。こちらもかなりお勧めです。
| 固定リンク
「映画(アジア・日本)」カテゴリの記事
- 映画「千夜、一夜」を新潟で見る(2022.10.24)
- 映画『名付けようのない踊り』(2022.02.09)
- 濱口竜介監督『ハッピー・アワー』(2022.01.06)
- 今年211本目は『CHAINチェイン』(2021.12.30)
- 終い弘法(2021.12.22)
コメント