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『クリムト』

 今日は、午後から京都シネマ。ちょっと2本観る元気なかったので、1本だけ。『クリムト』 観ました。

Klimt_tn_1  19世紀末から20世紀初頭、世紀末のウィーンは、学問と芸術の都として最後の輝きを放っていた。この地で世界を席巻した天才画家くダスタク・クリムトの生涯を、臨終間際の意識の混濁状態での回顧の形式で、幻想と現実の狭間に、華麗に描かれます。細部にこだわった美の再現が、見事っといえば、見事。だだ主演が、ジョン・マルコヴィッチなので、全編英語。廃頽的というか狂気的なムードにちょっと遠くて、美しいけれど、キチッとしすぎの感じもしたけどなー。ちっぴり退屈気味かなー

 クリムトといえば、最近、作品が絵画史上最高額の1億3500万ドルで落札されて話題になったけれど、生前から高い評価(もちろん、妬みからスキャダラス、廃頽的、非道徳的ということで、酷評もされるが)、パリ万博で金賞を受賞、金持ちのパトロンに囲まれ、女性モデルたちと愛し合い、しかも最愛の彼女もいたわけですから、失意の内に、精神がおかしくなったゴッホなんかとは大違い。

 ちなみに、このパリ万博って、例の「オッペケベー」の川上音二郎と、マダム貞奴が大人気になったときで、ヨーロッパの日本趣味ブームの頂点のころ。映画の中でも、調度品や絵画、衣装など、かなり日本の影響が色濃く出ていました。時代は、今日の工業的なインフラの基礎ができるころで、写真も、映画も、黎明期から発展を迎えるわけですね。同じウィーンということでは、精神分析のフロイトが大活躍。音楽の世界では、オぺラではブッチーニが活躍し、マーラーが時代を席巻し、クロード・ドビュッシーがこの世紀転換期に、新しい世界を切り開こうとした時代。ちょうどいま、このあたりの音楽史を読んでいるけれど、ドビュッシーと、クリムトって、生れも逝去も同じ年なんだなー。1862年~1918年に。56年の生涯。ちなみに、ぼくはそのちょうど100年後の1962年(まったく関係ないけどな)に生れだから、そう考えると、みんな大昔の人じゃないわけね。

 帰りは、マノア・マノというカフェで、寒かったので、温かいティーオレ飲みました。おいしかったです。

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