パーソンセンタード 表現アートセラピー
今日は、5月に引き続き、今年2回目の「パーソンセンタード・表現アートセラピー」のWSを開いた。講師、内容などに変わりないが、前回は、有志の集いだったが、今回は「真宗カウンセリング研究会」主催にした。ぼく自身は、2度目なので、前回よりも、より一層、楽しかった。とても充実していて、7時間がアッーという間に過ぎ去った。
ぼくの中で(というより、大方の皆さんが、学校教育の美術の時間がそうであるように)、アート(美術にしても、工芸や書道にしても)-「上手い」とか「下手」といった評価や、分析、または、手直しを受けて、「こうしろ、ああしろ」の指示どおり真似る作業であって、常に、他人(先生や大人)の目を気にしながら行う工程に他ならなかった。たとえ、そうでなくても、「上手くできたかどうか」の、結果だけを気にしていた。
しかし、これは、このネーミングが示す通り「パーソンセンタード」= 「人間中心のアプローチ」を根底に置いている。いうまでもなく、ぼくが日頃馴染んでいる、カール・ロジャーズさんのカウンセリングを、その基幹においているのだ。それもそのはずで、ロジャーズさんの愛娘、ナタリー・ロジャーズさんが、その創始者なのである。
したがって、上手い下手とか、評価や分析ではなくて、「いま、ここで」の自分の気持ちに焦点を当てて、ただ言葉だけでなくて、それをも含めて、もっと多彩な表現~絵や文字だけでなく、ダンスや歌、からだでの表現も含めて~いまの自分を知り、そして表現していくのであるから、作品内容以上に、そのプロセスの気持ちも尊重されて、また逆にその作品から感じる気持ちも大事にしていこうとするものである。
で、今回も、十分、さまざまなゲームをして、強張ったからだをほぐしをした。けっこう、挨拶のワークひとつでも楽しかった。こうして、いまの気持ちが安心して出せる雰囲気、また出せる状態になってから、まずは、「ブラインド・ドローイング」といって、目をつぶり、手にとったクレヨンを、利き手ではない(ぼくの場合は左手)で、紙におもむくままに書いていく。ある程度書き終わると、目を開けて、そこに何かを見いだして仕上げていくというものである。これが、けっこう面白い。ぼくの場合は、けっこうゴチャゴヂャしながらも、まとまりのある線だったので、ジッと見ていると、「ジャット・コースータの線路」に見えたので、緑を添え、太陽を加えた。グルグルと上に行き、下に行き、右や左にくねりながらも、最後は太陽に向かって進むイメージがした。「明日へ」と題した。
そして、メーンの創造は、「ゆ・だ・ね・る」をテーマに。ダンスや、ゆだねるワークのあと、 こころに浮かんだものを、さまざまな素材を味わいながら表現していく。ぼくの「まかせられるもの」を味わっていると……「誓願不思議」という言葉が浮かんだ。前回できなかった墨を使い、「書」をメーンに表現することにした。
美しい紙が見つかり、まわりをすこしデェコレーションするとして、メーンの書をどうするか。普通に「誓願不思議」と書くのもどうかと、いろいろと手のおもむくまま試行錯誤していた。この時間は、夢中に作業して、アッというまにすぎた。結局、漢字ではなくて、「ちかい、ねがい」を無数に重ねことにした。「ちかい、ねがい、ちかい、ねがい、ちかい、ねがい……」手の動くまま紙をはみ出しても、「ちかい、ねがい」を連ね、最後に「不思議」と書いて、掛け軸風に仕上げた。そのプロセスが楽しかったなー。
ぼくが、数十年か閉ざしていた新たな表現の可能性を見いだせる気がしている。こんな形で、もっと自分を表現することができれば、なんとも楽しいではないかなー。
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コメント
すごく伝わってきます。
参加したかったな。
でも、参加できない今の私なりに、出来るところで私と出会っていきましょうか。
そういう気持ちを見つめさせてくださる、このブログに感謝です
投稿: MANU. | 2006年11月24日 (金) 02:26